ことり「海未ちゃんパンパカパーンツ!」海未「ふぇぇ」 のまとめ全 241 件

1 1人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-14 18:21
ことりが海未ちゃんに出会った頃、海未ちゃんはお家の方針でふんどしを履いていました。

幼少時

ことり「ことり、ふんどしってはじめてみたよー」

海未「あ、あまりみないでください。はずかしいです」

穂乃果「ほのかはもううみちゃんのふんどしなれたよ! 」

ことり「あ、ほのかちゃんのはじめてみるパンツだねー!」

穂乃果「えへへー! クマさんパンツかわいかったからおかあさんにかってもらったんだー」

ことり「ほのかちゃんににあって、とってもかわいいよー!」

穂乃果「ありがとー!」

海未「......」ギュ


その時、ことりは穂乃果ちゃんのパンツを見た海未ちゃんが、その小さな両手で、服の裾をギュとつかんで口を真一文字に結び、うつむいているのを見てしまいました。

ことり(もしかして、うみちゃん。ほんとうは......)

先生「ほらー、みんなお着替え終わったかなぁー!」

はーい!!

海未「ほら、ほのか、ことり。いきましょう」

穂乃果「おぉー!」

ことり(もう、いつものうみちゃんだ...)

海未「...ことり? どうしました?」

ことり(ことりのきのせい......かな)

ことり「ううん、なんでもないよ。いこっか」

海未「うん! あ、ほのか、はしっちゃあぶないですよ!!」
2 2人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-14 18:25
続くのか??
続くなら支援
3 1人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-14 18:28
それから海未ちゃんのふんどしも穂乃果ちゃんのパンツを観る機会は何回もあったけど、海未ちゃんが何かを耐えているような顔をしたのをことりが見たのはあの時だけで。

ことりの気のせいだったらよかったんだけど。
なんでか、あの時の海未ちゃんの顔が、悲しいような、悔しいような、表情が頭にこびりついてはなかなか忘れらなくて。

そもそも、海未ちゃんのあの時の表情が、何を意味していたのかも、ことりは小さかったからよく理解できていなかったんです。

いまなら。
いまのことりなら、あの時の海未ちゃんの表情が何を物語っていたのか、すぐにわかってあげられて、海未ちゃんの気持ちもちゃんと汲んであげられるのになぁって、思う。

でも、未来のことりがわかってあげられたって、あの頃のことりがあの頃の海未ちゃんのことをわかってあげなきゃ意味ないんだよね、そうゆうのって、きっと。

あの頃、海未ちゃんのあの時の表情の意味を をわかってあげられなかったことりが、あの表情の意味に気づいたのは、あれから数年経ったある日に、穂乃果ちゃんと、穂乃果ちゃんの妹の雪穂ちゃんと3人で遊んだ時だった。
4 3人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-14 18:32
何か面白そう、支援
5 4人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-14 18:46
はよはよ
7 4人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-14 18:49
スレタイに反していい話だな
8 1人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-14 18:59
小学4年生になっていた時でも海未ちゃんはまだふんどしを履いていて、周りの女の子たちの間でも

「あー、園田海未ちゃんって言えば、あのふんどしの」

みたいな、海未ちゃん=園田道場よりも海未ちゃん=ふんどしってイメージが暗黙の了解みたいなものになってました。

でもだからって、いじめとかいじりとかそういうことは一切なくて。

そういうのがなかったのはやっぱり、海未ちゃんの人柄の良さはもちろんだけど、
他の人がいじりをする前より先に穂乃果ちゃんが海未ちゃんにふんどしのことでちょっかいを出して、
それを海未ちゃんが怒鳴って、っていう一連の流れがあの頃にはもうすでにできていたからな気がします。

他の人が入る隙がないというか。
一種の夫婦漫才を見ているような気分。

あー、またふんどしコント?みたいな。

そういう感じで、海未ちゃんも、もちろん海未ちゃんの周りの人たちもすっかり海未ちゃんのふんどしを受け入れているような雰囲気がありました。
9 3人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-14 19:06
面白い続けてくれ
10 1人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-14 19:11
海未ちゃんはその頃には小さい時みたいにビクビクしたり、穂乃果ちゃんの陰に隠れてオドオドしたり、気がついたらことりの服の袖を引っ張って歩いていたりとか、そういうのではなくなってて。

小さい頃から続けている弓道とか、お家でお母さんにおそわってるっていう日舞が海未ちゃんをそうさせたのかな?
それともギュと締めたふんどしが海未ちゃんをそう奮い立たせてたのかな?

強くて、真っ直ぐで、正しくて、怖いものなんてなにもない!ってような誰の目から見てもカッコいい女の子になってました。

でもね、ことりの眼にはいつだって、あの頃の、穂乃果ちゃんのクマさんのパンツを見てギュと痛いくらいにギュと目をつむってうつむいて、この場面が早くすぎさりますように、って願っていた女の子の姿が映り続けてた。
11 5人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-14 19:19
こういう文章好きよ
12 6人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-14 19:24
南條愛のさんは関係ありますか?
13 1人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-14 19:37
あの頃の海未ちゃんと、海未ちゃんを取り巻く雰囲気、そしてふんどしに、ことりは、モヤモヤしてました。

あの頃はよくわかってなかったから、自分の中の気持ちを「なんだか胸の奥がモヤモヤする」って表現してたけど、今ならそれがどういうことなのかはわかります。

それはさておき。

だって、ふんどしだよ? みんなおかしいよ。どうして黙ってるの? どうして?

って、ことりはずっと思ってました。

誰よりも、誰よりも海未ちゃんに対して。そして、海未ちゃんにふんどしを履かせ続ける園田家の人たちに対して。

ことりの左ひざの傷のこと、あんなに簡単に受け止めて、悩みから解放してくれた海未ちゃんは、どうして、あんなに悲しそうな顔をしたふんどしを履き続けるの?

海未ちゃんは小さい頃に自分が穂乃果ちゃんのクマさんパンツを見てどんな思いをしたのか、どんな表情をしたのか、そんなこと、忘れちゃったの?

忘れてしまえるくらいの感情だったの?

そういうことを考えると、ことりの中にモヤモヤは溜まっていきます。

でも、ことりは悩んでると顔に出やすいらしくて、悩んでいるときに真っ先に声をかけてくれるのも海未ちゃんでした。

海未「ことり、最近なんだか元気がないみたいですけど、大丈夫ですか?」

ことり「......」

海未ちゃんのことで悩んでいるんだよ!

と言えたら、どんなに楽だろうと何回も思いました。

でも、海未ちゃんが本当にふんどしが好きになってて、あの頃の気持ちももういい感じの思い出になってしまっていて

「あぁ、そんなこともありましたね」

とか、爽やかにニッコリ微笑まれて海未ちゃんに言われたら、ことりの中のモヤモヤって一体何だったんだろうとか、そういうことを考えると、どうしてもことりは海未ちゃんにふんどしについてお話をすることができませんでした。

ことり「ううん、なにもないよ。心配してくれてありがとう」

海未「そうですか。......私の勘違いなら、よかったです」

そうやってホッと安堵の表情を浮かべて、また自分の席に戻っていく海未ちゃんの背中をずっと見て、よく思いました。

そのモヤモヤが、もしかしたら海未ちゃんに対して、憐れみとか、同情とかいう気持ちだったらどうしよう、と。
14 7人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-14 19:46
こういうじっくり読めるの好き
15 8人目 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015-08-14 19:50
期待
16 1人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-14 20:10
穂乃果ちゃんは海未ちゃんのこと、海未ちゃんのふんどしのこと、どう思ってるのかな、って、本当に受け入れているのかなって思って、聞いてみたこともありました。

ことり「穂乃果ちゃんは、さ」

穂乃果「んー?なになにー?」

ことり「海未ちゃんのふんどしのこと、......ど、どう思ってる?」

穂乃果「え、海未ちゃんのふんどし?」

ことり「うん。ふんどし」

穂乃果「うーん、えーっとー、んー」

そう言って、視線をことりから外して、右へ左へ泳がせた後、穂乃果ちゃんの視線はまたことりに戻ってきて、穂乃果ちゃんの瞳の中にことりが見えました。

穂乃果「別に、穂乃果はいいかなーって思う。海未ちゃん本人が気に入ってるなら」

ことり「......そっか」

穂乃果「なんで、こんなこと聞くの?」

ことり「ううん、なんでもないよ。...変なこと、聞いちゃってごめんね? 穂乃果ちゃん」

穂乃果ちゃんもやっぱりなぁ。やっぱり、海未ちゃん=ふんどしは違和感とかないんだなぁって、ことりにはふんどしがおかしいって気持ちを分かち合ってくれる人なんていないのかなぁって思ったとき。


穂乃果「ことりちゃん。...ずっと黙ってたんだけど、実はね」

ことり「......え?」
17 7人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-14 20:18
はよ
18 1人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-14 20:29
穂乃果ちゃんの話によると、海未ちゃんには本当は年の離れたお姉ちゃんがいたそうです。

穂乃果「小さい頃はよく遊んでもらったんだー! 雪穂もまだ産まれてなかったから、穂乃果と海未ちゃんとお姉ちゃんとで3人で」

ことり「そうなんだ......」

本当に初耳なお話でびっくりしました。

穂乃果「海未ちゃん、いつもお姉ちゃんにぴったりでね、本当、くっつき虫みたいにお姉ちゃんにひっついてたんだよ」

穂乃果「お姉ちゃんが近くにいないとすぐ泣いちゃうし、お姉ちゃんの袖ぎゅーってして、お姉ちゃんの飼い犬かっ!ってくらいそばを離れなかったね!!」

ことり「......意外」

穂乃果「本当にそう思う?」

ことり「えっ......」

穂乃果ちゃんがことりの方を見て、少し優しく、でもちょっと寂しそうに笑いました。

あれ、意外でもない気がする。
確かにカッコよくなっちゃった海未ちゃんのイメージとはかけ離れるけど、小さい時の、出会った時の海未ちゃんのイメージは、くっついている人がお姉ちゃんか
穂乃果ちゃんやことりに変わっただけで、そこまで今の話とはかけ離れているようには、思えない。


ことり「でも、ことり、今まで海未ちゃんのお姉ちゃんに会ったことないよ」

穂乃果「うん、ことりちゃんと入れ違いでお姉ちゃん、いなくなっちゃったんだよね」

ごくっと、唾を飲み込みました。

ことり「居なくなった......?」
19 1人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-14 21:05
穂乃果「穂乃果もお母さんたちがこっそり話してるのを聞いただけなんだけどね」

穂乃果「なんだか、園田道場を継ぐ継がない、で色々あったみたい。お姉ちゃん確かに日舞ってあんまり好きじゃないみたいだったし。一緒に遊んでくれてると思ったら稽古サボってた、とかよくあったから」

穂乃果「お姉ちゃん、海未ちゃんと全然似てなくてもっとシャンとしててスッゴイかっこよくてね。あー、でも、今の海未ちゃんはお姉ちゃんにちょっと似てるかなぁ。もしかして真似してるのかな、あれ。全然追いついてないけど」

くふふ、と、穂乃果ちゃんは、ことりの知らない海未ちゃんと、ことりの知らない海未ちゃんのお姉ちゃんを、知らないことりの前で懐かしそうに思い出しながら優しく笑いました。

また、モヤモヤ。

モヤモヤって、ことりの中で何かが胸を満たしていきます。

だめだよ。こんなの、穂乃果ちゃんにまで感じちゃ......。

穂乃果「あ、お姉ちゃんはそういえば」

やだ、な、もう、聞きたくない。

右手をギュっと握りしめて、目をつむる。

あー、って心の中で叫んで穂乃果ちゃんの言葉を言葉として理解しないようにする。

この場から立ち去りたかった。

あぁ、あの時の海未ちゃんもこんな気持ちだったのかなぁってなんとなく思った。

穂乃果「......あれ?ことりちゃん?」






ことり「あはは......はぁはぁ......逃げて来ちゃった」

教室から精一杯無我夢中に走って来ちゃった。

壁にもたれかかって、息を整える。


自分がいざその立場になったら、聞こえないふりしちゃうなんて。

しまいには、逃げて来ちゃうなんて。

ことり「......弱虫だなぁ。ことりは」


あの時の海未ちゃんは、子どもながらになんて勇敢だったんだろう。
20 3人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-14 21:08
いい
21 7人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-14 21:38
良いね
22 9人目 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015-08-14 21:56
ええな
23 1人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-14 22:15
ずっと3人一緒だと思ってました。

でも、海未ちゃんと穂乃果ちゃんにはことりが知らない秘密があったなんて。

なんだか、仲間外れにされちゃった気分。
ううん。2人にそんな気がないなんてこと、わかってる。

お姉ちゃんのこと、海未ちゃんのお家のことが関係してるもんね。
そんな気軽に話せるようなことじゃないもん。
ことりだって、傷のこと、2人に自分から話せなかった。
海未ちゃんが気づいてくれなかったら、もしかしたら、ずっといえてなかったかもしれない。

ことり「......でも、これだけ一緒に居るんだから、言って欲しかったな。ことり、信用ないのかな」

ことり「あーあ、わがまますぎるよ......こんなの」

中学生になった頃のことりは少し変でした。
海未ちゃんのことを考えると、モヤモヤはモヤモヤなんだけど、今までのモヤモヤとは少し違った感じで。

海未ちゃんが部活に入って他の子との接点が多くなればなるほど、モヤモヤが増えていって。

まるで、ケーキを作る時に材料を計り損ねちゃったか、温度を間違えちゃったとか、作り方を間違えちゃったせいで、焼いても膨らまなかったスポンジみたい。

胸の中でモヤモヤモヤモヤして、溜まった空気みたいなものがプシューって抜けていく隙間もなくて、ずっと何かが溜まり続けてる。


ことり(気をつけてたのにまさか、穂乃果ちゃんにまでモヤモヤするようになっちゃうなんて......)

ことり(......最低)

ようやく整ってきた呼吸に合わせて上下する制服の胸元を握りしめます。

ことり「海未ちゃん......」



「......ことり?」
24 1人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-14 23:12
ことり「え、......海未ちゃん、どして、今、部活の時間じゃ」

海未「今は休憩です。というか、すぐそこ、弓道場ですが」

ことり「本当だ......」

海未「ここでことりに会うなんて珍しいですね。何かあったんですか?」

1年生の教室が1階にあるからって、いくらなんでもちょっと、行き当たりばったりに走り過ぎです、ことり。

ことり「うーん、ちょ、ちょっと、色々あって!!」

海未「色々......誰かに呼ばれたとかですか?」

こと「えっ、そんなのじゃないよ!?本当に本当に!!」

海未「......そ、そうですか」

何故かホッとしたような顔をした海未ちゃんがいつもは見せないようなふやけた笑い方で口角を上げました。
弓道着姿の海未ちゃんは普段のカッコよさがさらに数倍増しになった感じで、なんだな、落ち着きません。

落ち着かない......?

落ち着かないって、どうして。

ことり「...?」

海未「あの、ことり、そんなにジーっと見られると......ちょっと照れるというか、は、恥ずかしいです」

ことり「あっ、ご、ごめんっ!?」

思わず海未ちゃんをジーっと見つめてしまっていました。

視線を海未ちゃんから外して、でも、チラチラと海未ちゃんの様子を伺います。

ことりに見つめられた海未ちゃんは顔を少し赤らめてて、なんだかソワソワと落ち着かない感じです。

さっきの穂乃果ちゃんとの話を思い出しました。

カッコよくはなったけど、もしかしたらそれは本当にお姉さんを真似してるのかもしれなくて、でも、それでも海未ちゃんの元々の恥ずかしがり屋さんな性格は変わらないでそのまま残ったんだなぁとか、思っちゃって。

なんだ。
ことりだって、ことりと出会う前の海未ちゃんのこと、少しは知ってるじゃん。

そう思ったら、ふふっと笑っちゃいました。

海未「こ、ことりっ! なんで笑うんですかっ!?」

ことり「ご、ごめん。なんだか、海未ちゃんはカッコよくなっても恥ずかしがり屋さんなんだな、と思ったらなんだかおかしくて」

海未「カカカカカカカカッコよくなんて、ないですよ、全然っ!?」
25 7人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-14 23:12
続き気になる
26 1人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-14 23:13
両手をことりの方向に突き出してブンブンブンと左右に振って拒絶のリアクションをすると同時にかぁあああという音が聞こえそうなくらいの速度で、海未ちゃんの顔が真っ赤になりました。

海未「私はそんな、まだまだです。すぐに気持ちが顔に出て」

ことり「気持ちが顔に?」

海未「ああああああ、いや、今のはなんでもないです!?忘れてください!?」

よくわからないけど、海未ちゃんが珍しく落ち着きがなくて面白いです。

海未「あ、あの、その、......こ、ことりっ」

ことり「なぁに?」

海未「も、もしよければ、部活が終わるの待っててもらえませんか?一緒に...帰りましょう」

ことり「ん?いいよ。穂乃果ちゃんと宿題して待ってるね」

海未「いえ、あの、...できれば、ことり1人に待っててもらいたいんです」

ことり「......えっ?」

海未「あの、......は、話をしたいことがあるんです。......ことりに」

さっきまでオドオドキョロキョロしてことりと視線を合わせることを避けていたはずなのに、顔を真っ赤にした海未ちゃんが、ことりの目をまっすぐと見て、そう言いました。


「穂乃果には先に帰るように私から連絡しますから」


そう言って、海未ちゃんは、休憩がおわるから、と部活に戻って行きました。


ことり「話したいこと......か」

もしかして、お姉さんのこと、お話ししてくれるのかな。

ことり「......海未ちゃんがお話してくれたら、ことりのこのモヤモヤも消えてくれるかなぁ」

そんなことを思いながら、ことりは矢が的に当たる音を背に教室に戻るために歩き出しました。
27 1人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-14 23:13
今日ここまでで。
28 7人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-14 23:16
乙、最近ので一番好きな感じかも
29 3人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-14 23:26
凄くいい期待!
30 10人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-14 23:37
うむ
31 11人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-15 00:09
いいですね
32 12人目 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015-08-15 00:33
ギャグみたいなスレタイからは想像出来ない良SS
33 13人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-15 03:32
惹かれるものがない
34 14人目 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015-08-15 03:41
>>33
じゃあ見んなよ
35 15人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-15 03:54
とても良い
36 16人目 名無しで叶える物語(フンドシ)@\(^o^)/ 2015-08-15 03:59
フンドシと聞いて
37 17人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-15 12:25
フンドシが喋った!?
38 18人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-15 18:05
39 19人目 名無しで叶える物語(ちゃんぽん)@\(^o^)/ 2015-08-15 18:39
スレタイで損してるぞwww
40 20人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-15 20:09
スレタイにパンツとか入ってるもんな
41 21人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-15 21:11
42 22人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-15 22:04
保守
43 23人目 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015-08-15 22:06
ことり「パンパカパーン!」

パンパンパンパン

海未「ケツアクメイグゥゥゥゥ」
45 23人目 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015-08-15 22:23
愛宕「パンパカパーン!」

パンパンパンパン

海未「ケツアクメイグゥゥゥゥ」
46 24人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-15 22:26
いいね支援
47 22人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-15 22:45
まだかなー
48 25人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-15 22:48
普段は穂乃果ちゃんと2人で待っていると部活の終了時間なんてあっという間なのに、その日はなんだか1秒、1分が間延びしてしまったみたいで、ゆっくりおそーく流れていました。

話し相手がいないし、1人でなにもしないでいると自分にとって嫌なことばかりに考えの矛先がいってしまいそうだったから、その日出た宿題とか、次の日の予習をして、その時まで、できるだけなにも考えないようにしました。

シャーペンがノートの上を走る音に、やがて誰かが近づいてくる足音が重なって、その音が教室の前で不意に鳴り止んだかと思えば、教室の扉が、ガラッと勢いよく音を立てて開きました。

海未「ことり、お待たせしてしまってすみません!」

ことり「......ううん、大丈夫だよ、帰ろっか」

海未「ええ、帰りましょう、か」

ことり「帰る準備するからちょっと待っててね」

海未「はい、宿題してたのですか?」

ことり「うん。海未ちゃんが来るまで暇だったから」

今日は穂乃果ちゃんがいないし、と言おうとして止めました。
なんだか、この場に穂乃果ちゃんがいないこと、海未ちゃんに責めてるみたいに聞こえるのが嫌だったのかも。

海未「そうですか」

次の言葉を待ってみたけど、そのまま海未ちゃんは黙ってしまって。ことりはできるだけ急いで、でも、急いでるように見えないように机の上に広がっていた教科書とノートを通学鞄に入れました。

ことり(ん......?)

視線を感じて海未ちゃんの方を見ると、海未ちゃんとバチッと音がするくらい視線が合っちゃって。
ワタワタと慌てて視線を外す海未ちゃんが面白くて、ふふっ、と笑っちゃいました。

ことり「どしたの?そんなに見て」

海未「うえっ!? ああ、いや、ななななななんでもないです!?」

ことりからは海未ちゃんの後ろ髪しか見えないくらいに海未ちゃんが背を向けちゃって。
でも、海未ちゃんは知らないだろうけど、後ろから見ても海未ちゃんの耳が真っ赤になってるのが見えて、やっぱり、なんだか面白くて笑っちゃいました。
本人は隠してるようで隠れてないなんて、海未ちゃん、お猿さん?

ことり「よしっ。じゃあ、帰ろっか、海未ちゃん」

そう言ったことりに海未ちゃんはゆっくりと振り返り、予想通り真っ赤に染めた頬をことりに向けて、「......はい」と少しこわばった声で言いました。
49 25人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-15 23:09
普段歩き慣れた道を人で歩くのってなんだか不思議だな、とか思いながら、黙って歩く海未ちゃんの横を歩いてました。
歩くというより、いつもより早足で歩く海未ちゃんに頑張ってことりがついて行ってるって言った方が正しいかもしれない。

なんだか、変な感じ。
空気がピリピリしてるというか。
海未ちゃんが黙ってるから、ことりも自然に黙っちゃう。

2人の周りには、横断歩道が青になって流れてる曲とか、カラスの鳴き声とか、そばを通る車の音とか、どこかで走ってるチャルメラの音とか、普段の夕方らしい音がたくさん溢れてるのに、
ことりと海未ちゃんの間にはなにも音がなくて、やっぱり、変な感じ。

ことり(う、海未ちゃーん。何かしゃべってー)

ことりのお願いは海未ちゃんには届かなくて、無言のまま。

このままだと、分かれ道、すぐ着いちゃうんだけどな。

ことり「海未ちゃん」

海未「......」

ことり「海未ちゃーん」

海未「......」

ことり「海未ちゃんっ、ちょっと、歩くの早いっ......!!」

海未「はっ、あ、す、すみません!?」

ことり「ごめん、ことり歩くの遅くて」

この頃のことりはまだスクールアイドルっていう存在は知ってても、そういうものを自分が目指すなんて思っても見ませんでした。
当然、トレーニングなんてしてないし、身体も鍛えてないから、海未ちゃんのペースで歩くのは難しい。

立ち止まって待っててくれた海未ちゃんにようやく追いつくと、海未ちゃんは今度はことりのペースで歩きはじめてくれました。

海未「いえ、あの、私も早く歩きすぎてました、ごめんなさい」

ことり「ううん。ねぇ、海未ちゃん、どお話って何?」

海未「......」
50 24人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-15 23:10
はよはよー
51 26人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-16 01:12
海未「こと、り」

ことり「んー?」

横を向くと隣を歩いているとばかり思っていた海未ちゃんはいなくて、来た道を振り返ると海未ちゃんはいつの間にか立ち止まって、ちょっとうつむき気味。

ことりに聞こえるくらいのため息をふっとついて、いつもの海未ちゃんには似つかわしくないくらいに弱々しい声色でそれは始まった。

海未「わたし、ずっと言いたくて、でも、言ったらことりの迷惑になると思って、ずっと、言えなくて」

迷惑? 言いたかった?
なんのことだろう。
やっぱり、お姉さんのこと?

ことり「海未ちゃんがいうことで、ことりの迷惑になることなんてないと思うけどな?」

むしろ、知りたいもん。
海未ちゃんのこと、もっともっと。
お姉さんのことも、お家のことも。
もっと、知ることができたら、弱虫なことりにだってきっと、海未ちゃんを助けることができる。
穂乃果ちゃんみたいに、海未ちゃんを引っ張ってあげられるようになれる。

仲間外れは、いやだもん。

海未「いえ、なるんです」

ことり「なっちゃうの?」

海未「はい」

海未ちゃんはそうはっきりと言い切って、でも、まだ下を向いたまま。

どうしましょう、いや、でも、ここまできたら、言うしか、でも、あぁ、とか、なんだかボソボソ言ってるのが聞こえます。
52 26人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-16 01:14
ことり「海未ちゃん」

海未「......はい」

ことり「穂乃果ちゃんがね、言ってたよ」

海未「穂乃果が......なにを?」

ことり「穂乃果ちゃんは、なにがあっても海未ちゃんとことりの味方だって」

海未「穂乃果がそんなことを」

海未ちゃんは少し驚いた顔をした後に、ゴクリと息を飲みました。

ことり「うん。穂乃果ちゃんも、知ってるんだよね?海未ちゃんがことりに言いたいこと」

海未「......はい、穂乃果も知っています。穂乃果はずっと、相談に乗ってくれていましたから」

相談。
海未ちゃんは穂乃果ちゃんにずっと相談してた。
知らなかった。
また、ちょっとさみしくなる。
ことりの知らない2人の相談。

ことり「そっか。知ってるんだ。なら、......ことりにも聞かせてほしいな。ことりだけ知らないの、なんだか、少し寂しいし」

えへへ、って笑ってなんでもないことみたいに、別にそこまで気にしてるわけじゃないみたいに言う。

ことり「ことりだって、海未ちゃんが困ってるなら、助けになりたいよ」

そこまで言うと、それまで顔を下げていた海未ちゃんが視線をあげて、ことりを見ました。

夕陽に染まる、海未ちゃんの顔が、とても寂しそうで、でも、少し微笑んでて、ことりはなんでだか、ふと、海未ちゃんにナイショで作ったことりのお部屋にあるマケミちゃん人形のことを思い出しました。


海未ちゃんが目をつむり、息を整えて、目をゆっくりと開きました。
きっと、弓道で矢を射る時と同じような呼吸、タイミングなんだろうな。

目を開いた海未ちゃんは、いつものカッコいい海未ちゃんに戻っていました。

海未「ことり。これから言うことで、私はあなたに軽蔑されるかもしれません。距離を取られても仕方ないと思ってます」

ことり「さっきも言ったけどそんなことないよ」

海未「だと嬉しいんですが」

ははっ、と海未ちゃんは力無く笑いました。

それにつられてことりも笑おうとした時、海未ちゃんは言いました。

海未「ことり、私はあなたが、好きです」
53 26人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-16 01:14
今日ここまでで
54 27人目 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015-08-16 01:24
55 28人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-16 01:36
いい
56 29人目 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2015-08-16 01:53
57 30人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-16 09:34
いいね
58 31人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-16 16:08
乙、気になる
59 26人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-16 23:07
ことり「......うん? ことりも海未ちゃん好きだよ?」

なにを言っているんだろう。
海未ちゃんは。
別にそんなこと、言われたって軽蔑なんてそんなことするわけないのに。

ことり「海未ちゃん好きだし、もちろん穂乃果ちゃんだって。ことりは大好きだし、大切だよ」

ことり「それは海未ちゃんだって、同じだよね?」

ちょっと黙った後にふっーっとため息をついて、海未ちゃんが頬を赤らめたまま困った顔をします。

海未「ええ......。一回では伝わらないと思ってましたけど」

ことり「えっと......うん?」

海未「やはり、穂乃果の言う通り、ちゃんと言わないとダメなんですね......うぅ、こんなの恥ずかしすぎる......」

ボソボソと独り言を言ったかと思うと、海未ちゃんは今度はことりから目線を外して、顔を左手で覆い、ごにょごにょ、と言いました。

海未「ですから、ね? ことり......」

ことり「うん」

海未「私は......あ、あなたのことが、好きなんです......その、恋愛......感情で」

ことり「......」

恋愛感情。

恋愛感情。







恋愛感情!?

うわぁあああ、と海未ちゃんが目の前で叫んで、叫びというか、悶えに近かったとおもうけど、なんだか狼狽えていましたが、ことりはことりでそれどころじゃなくなってました。

海未「......うう、は、恥ずかし......ん?」

海未「ことり?」

海未「ことり!?」
60 30人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-16 23:18
ゴクリ…
61 26人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-16 23:19
気が付いたらことりはことりの部屋のベッドの上でした。

ことり「......あれ」

海未「こ、ことり! 気がつきましたか!?」

ことり「あ、海未ちゃん......ことり......」

ハッとして、瞬時に思い出しました。
海未ちゃんの顔を見られずに、思わず掛け布団で顔を半分くらい隠しちゃった。

海未「よかった。えっと、いきなり倒れてしまって......わ、私が家まで運んだんです」

ことり「そ!そっか......!? あ、ありがとうね、海未ちゃん、め、迷惑かけてごめんね!?」

うわわわわ、海未ちゃんにどう接すればいいのか、わからないよ!?

だって、海未ちゃん、ことりのこと、す、......好きだって。

海未「いえ、私の方が急過ぎましたから。まさか倒れるとは思ってなくて。その、すみません」

そうことりに謝った海未ちゃんは普段の海未ちゃんからは想像もつかないくらいにシュンとしていて、なんというか、ことりが作ったマケミちゃん人形そっくりに見えました。

ことりは海未ちゃんに何て言えばいいのかわからなくて。
まだ、さっき海未ちゃんに言われたことが現実かどうかも受け入れられずに、ただ、トクントクンと海未ちゃんを見るといつもよりも速く心臓が鳴ってしまうことで、身体がまるで風邪をひいたときみたいに熱くなっていました。

ことり「......」

海未「......」

海未ちゃんの顔は苦痛に歪んでいて、とても苦しそうで。

ことり「海未ちゃん」

海未「はい」

掛け布団を掴む手にギュと力を入れて、頑張って聞いてみました。

ことり「さっき言ってくれたこと、本当、なんだよね?」
62 26人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-16 23:30
海未「......はい」

そこから海未ちゃんはゆっくりとお話をしてくれました。

ことりがずっと好きだったと。
この気持ちがことりに知られたら、嫌われてしまうんじゃないかとずっと思いながらことりに接していたこと。
気持ちを隠していることに罪悪感が膨れてしまって、穂乃果ちゃんに打ち明けてしまったこと。
穂乃果ちゃんが応援してくれたこと。
ことりに想いを伝えたいと思ったこと。
嫌われて拒絶されても仕方ないと思っていること。

海未「......今まで黙っててすみませんでした」

そう言って、海未ちゃんはことりに頭を下げます。

そんな海未ちゃんの様子を見て、ふと思いました。

なんで、海未ちゃんは謝ってるんだろうって。
ことりが知ってる恋愛って、告白の場面でこんなふうに相手に相手を下げてるなんてこと、なかった。
そんなこと、してなかった。
「好きになってごめんなさい」ってそんな風に相手に謝るなんて、そんなこと、してなかった。

ことり「海未ちゃん」

海未「はい?」
63 32人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-16 23:41
ふむ
64 26人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-16 23:52
ことり「海未ちゃんは小さいときに、ことりの左ひざの傷のこと、認めてくれたよね?」

海未「はい......」

そのことが何か?と言うように海未ちゃんは首をかしげます。

ことり「傷のこと、海未ちゃんが認めてくれて、ことり嬉しかったんだ。ずっとコンプレックスだったから。誰にも左ひざの傷のことは自分から言えなかったから」

ことり「......海未ちゃんが、ことりの傷のことを認めてくれたのは、海未ちゃんがことりのことを好きだったから?」

ことり「恋愛感情で」

そこまで言うと、思わず掛け布団を握る手が震えました。

もし、海未ちゃんがことりが好きだから、傷のことを認めてくれていたのだったら、どうしよう。

好きって気持ちから、認めてくれてたのなら、それって本当のところでことりの傷のことをあの時海未ちゃんは認めてくれたんじゃないんだよね。

そうだったら、どうしよう。

ことり、どうしよう。




海未「違います」

ことり「......えっ」
65 26人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-16 23:52
海未「たしかに、ことりのことはあの頃からなんとなく気にかけてましたけど、でも、恋愛感情で、......そっ、その、すっ、......きだから、気に入られたいっていう気持ちから、ことりの傷のことを受け入れたわけじゃありません」

海未ちゃんは顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうに口元を押さえて、それでもちゃんと言葉を伝えてくれました。

海未「本当に、ことりはスカートが似合うと思ったから。傷を気にしてスカートが履けないのは勿体無いと思ったから......」

海未「でも」

海未ちゃんは、まっすぐにことりを見て言います。

海未「傷があってもなくても、私はやっぱり、ことりがことりだから、好きになったのだと思います」

ことり「......」

しばらく、ことりは海未ちゃんのそのまっすぐな視線からなぜか目が外せなくて。

先に視線を外したのは、海未ちゃんの方でした。

素に戻った海未ちゃんが耳まで真っ赤にして、「すみません、で、出直してきます」と慌てて鞄を持って部屋から出て行こうとします。

その背中に声をかけました。

ことり「海未ちゃん」

海未「は、はい?」

ことり「......ちゃんと、返事するから。少し、考えさせて」


「わかりました」と答えて、海未ちゃんはことりのお部屋を後にしました。

残ったことりは、しばらくの間、トクントクンと依然として速いままの鼓動に耳をすませていました。
66 33人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-17 00:15
数日後の放課後。
ことりは穂乃果ちゃんの家に遊びに来ていました。
海未ちゃんは部活でいません。

穂乃果「海未ちゃん、完璧に言えた?」

穂乃果ちゃんは興味津々に聞いてきました。
今日はことりが相談にのってもらう番。

ことり「穂乃果ちゃんの中の完璧って基準がわからないからなんとも言えないよ」

穂乃果「それはもちろん。こう、......手を取ってー」

ことりの両手を穂乃果ちゃんは自分の両手で包み込んで、ことりの目を見て言いました。

穂乃果「南ことりさん、大好きです! 付き合ってくださいっ!!」

ことり「......」

穂乃果「みたいなっ!!」

ことり「あはは、それが完璧なら......んー。30%ぐらいかなぁ」

穂乃果「30%!? 海未ちゃんダメダメじゃん!?」

いつの間にか穂乃果ちゃんの両手に包まれてたことりの両手は穂乃果ちゃんの両手と繋がれていて、そこからいつの間にか、2人でせっせっせーのよいよいよいって動作。

ことり「だって、手を繋いでもないし、付き合ってくださいって言われてないよ」

穂乃果「えっ!? あんなに練習したのに!! 海未ちゃんめー!?」

ことり「......練習?」

穂乃果「うん。海未ちゃんが『ダメですー!』って頭抱えるから穂乃果がことりちゃん役になって、ずっと告白の練習してたんだよ」

その言葉を聞いた途端にまた、モヤモヤってものが胸の中に渦巻いてきました。

ことり「練習って、どこまで?」

喋りながらも、手遊びの手は2人して緩めません。

パシンパシンと、ことりと穂乃果ちゃんの手が触れ合う音が部屋の中に響きます。

穂乃果「どこまでって。そりゃもう、全部だよ全部。てか、さっき穂乃果が言った言葉をずーっと繰り返して練習させたの、海未ちゃんに」

穂乃果「手を繋いで、『好きです。付き合ってください』って」

モヤモヤがズキンに変わりました。
67 34人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-17 00:20
ほうほう
68 35人目 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2015-08-17 00:22
苦しくなってきた
69 33人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-17 00:37
前触れもなく、穂乃果ちゃんの手に当たるはずだったことりの手が空中でそのままスカっという音が出そうなくらいの空振り。

手応えもパシンという音も無く、何かと思い顔を上げてみると、まるで叱られた子供のようにことりの様子を伺う穂乃果ちゃんが目の前にいました。

穂乃果「あの、ことりちゃん?」

ことり「ん? なに、穂乃果ちゃん」

穂乃果「なんか怒ってる? 穂乃果何か悪いことしちゃったかな?」

ことり「え?なんで?」

穂乃果「いや、だって。なんだか下向いちゃって、眉間にシワまで寄せて難しい顔し始めたから」

ことり「いや、そんなことないけど......」

穂乃果「本当?」

穂乃果ちゃんの顔を見ると、自然と頭の中で海未ちゃんが穂乃果ちゃんの手をとって、ぐいっと自分の方に引き寄せてさっきの告白の練習をしている風景を想像しちゃいました。

照れ屋な海未ちゃんのことだから、穂乃果ちゃん相手でも、きっと、あの時ことりに言ったみたいに耳まで真っ赤にして。
でも、変に真面目だから、穂乃果ちゃんに海未ちゃんは「好き」だって言葉まで、練習だとしても言っていて。

それも何回も。


ズキンズキンと胸が痛みます。




なんか、やだ。



ことり「......んー。あのね、穂乃果ちゃん」


ことりはそう言って、数日前の海未ちゃんみたいに穂乃果ちゃんに自分の気持ちを打ち明けました。
70 36人目 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015-08-17 00:38
いいぞ
71 37人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-17 00:41
本当に凄くいいね
72 33人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-17 01:02
ことりの気持ちを穂乃果ちゃんはうんうんと相槌を一生懸命打って聞いてくれました。

穂乃果「うーん、つまり、ことりちゃんも海未ちゃんが好きってことでFA?」

そんなにスンナリ言葉にされると、なんだか身体中がもぞもぞとこそばゆくなってきます。

ことり「ほ、ほのかちゃーん。......そんな、はっきり言わないでよぉ。恥ずかしいよ......」

穂乃果「んー。正直、驚いてるよ!! びっくり!!まさかことりちゃんが海未ちゃん好きだったなんて!!一体いつから好きだったの?」

ことり「えー......。驚かない?」

穂乃果「いや、もう十分驚いてるから!!」

そうでした。

穂乃果「ねぇ、一体いつから? やっぱり傷のことを教えた時くらい?」

ことりを見る穂乃果ちゃんの目がキラキラと輝いて、まるでおもちゃを与えられた子犬みたい。
穂乃果ちゃんにもし尻尾がついてたら、すごい勢いでパタパタしてるんだろうなぁ。

そんなことを思いながら、もっと驚かれることを覚悟して言ってみました。

ことり「さ......」

穂乃果「さ? え、3年生?」

ことり「......さっき」

穂乃果「ん?さっきって? 」

ことり「さっきは、さっき」

穂乃果「......」

穂乃果「......」

穂乃果「えぇぇえええええええ!?」

穂乃果ちゃんの声が部屋に響き渡りました。
73 38人目 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015-08-17 01:11
続けて、どうぞ
74 33人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-17 01:18
穂乃果「え? さっきって、どういうこと!? ここに海未ちゃん居ないよ!?」

ことり「海未ちゃんは居ないけど、でも、......あはは」

穂乃果「んん?」

まさか、穂乃果ちゃんにヤキモチを妬いて気がついた、だなんて。

いくらことりでも、そこまで言うのはちょっと恥ずかしいからナイショにしておきます。


だって。
ことりだって、海未ちゃんに4回くらいしか好きって言われてないのに、穂乃果ちゃんは何回も言われてるんでしょ?

ズルイよ、そんなの。


すると、穂乃果ちゃんは腕組みをして、うーん、と唸って少しして言いました。

穂乃果「ことりちゃんのそれって本当に好きなの? 雰囲気に騙されてない?」

ことり「雰囲気に騙される?」

穂乃果「うん。なんていうか、ほら。言葉は悪いけどさ、穂乃果と海未ちゃんの2人がことりちゃんを落とし入れちゃって、優しいことりちゃんは、可哀想な海未ちゃんに同情して、『2人が頑張ってくれたんだし、好きって言っとけばいいか』とか思ってたりとかしない?」

同情という言葉が、ことりの身体を瞬時に駆け巡ります。

ことり「そんなことは、ないと思う......けど」

穂乃果「本当にー?」

ことり「......」

穂乃果ちゃんにそこまで言われると、分からなくなってきました。

ことりが海未ちゃんに感じてるこの気持ちは、好きって気持ちじゃないのかなぁ。

同情、なの?

穂乃果ちゃんのパンツを見て我慢をしていた海未ちゃんを、

クラスのみんなにふんどしを受け入れられた海未ちゃんを、

ずっと見てきたことりが感じていたモヤモヤは、

同情って気持ち、だったのかな?

ことり「......でも、痛かったもん。穂乃果ちゃんと喋ってたら、モヤモヤじゃくてズキズキしたんだもん」

穂乃果「ことりちゃん......」

海未ちゃんに好きって言われたらトクントクンしたんだもん。

ことり「本当に好きなのかはわからないけど、でも、ちゃんと伝えてみるよ。海未ちゃんに」
75 33人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-17 01:18
今日ここまでで
76 39人目 名無しで叶える物語(冀東防共自治政府)(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015-08-17 01:30
イイっすね〜 支援
77 40人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-17 01:32
おっつん
心がチュンチュンしてきた
78 41人目 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015-08-17 02:47
初々しいことうみ好きよ
79 42人目 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2015-08-17 07:23
このssのことりちゅんは本物や…!本物なんや…!!
80 43人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-17 10:54
いいね
81 44人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-17 22:04
ほ!
82 45人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-18 08:05
最後まで頑張って
作者さんもことりちゃんも
83 46人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-18 20:19
乙、続き気になる
84 47人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-18 23:40
放課後の学校ってなんだか物寂しいな、って思う。

昼間は太陽に照らされていた場所まで影が延びて、真っ黒に染まっているからか、それとも、あちこちで聞こえる別れの言葉が、また明日会えるとわかっていても、それでも一時は離れないといけない事実を知らせてくれているからなのか。

ことりには未だにわからない。

グラウンドから聞こえてきていた運動部の掛け声さえも聞こえなくなってしばらくして、ガラッと教室の扉が勢いよく開きました。

海未「お待たせしてしまって、すみませんことり」

少し息が早いのはその分速く教室にきてくれようとした証。

それでも、それをことりに悟られまいと、ゆっくり呼吸をしようとしてるのも、随分前に気づいたけど、なんでか指摘できないのは、きっと、海未ちゃんのそういう優しさに触れていられるのが好きだから。

ことり「ううん。ことりが待ってるって言ったから。それに全然待ってないよ、大丈夫」

海未ちゃんに微笑むと、「そうですか」と言って普段は安堵の色を浮かべてくれるのに、今日はまだ顔に緊張が残っているのは、きっと海未ちゃんもわかっているからなんだろうな。

ことり「じゃあ、帰ろっか海未ちゃん」

海未「ええ、遅くならないうちに帰りましょうかことり」
85 47人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-18 23:52
今日はことりから海未ちゃんに一緒に帰ろうというお誘いをしました。

こないだの返事をするため。

穂乃果ちゃんにはやっぱり先に帰ってもらっちゃった。

「報告よろしくー」って、穂乃果ちゃんは微笑んでくれて、それだけでなんだか勇気をもらえた気がしました。


海未ちゃんはことりの少し後ろをことりより少し遅いペースで歩いています。

ことりが言いだすのを待ってるみたい。

何か違う話をして、2人でこのちょっと硬くなった雰囲気を少し柔らかくしてから本題に入りたかったんだけど、どうやらこの雰囲気の中、ことりから切り出すしかないみたいです。

ことり「あのね」

海未「......はい」

2人分の足跡がいびつにばらつく帰り道で、ことりはトボトボと気持ちを伝えはじめました。
86 48人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-19 00:00
ことり「この前の返事をしようと思って。一緒に帰ろうって誘ったんだ」

海未「......なんとなく、そうなんだろうと思ってました」

ことり「ごめんね、遅くなっちゃって」

海未「いえ、そんな。避けずにいつも通りに接してくれているので既にありがたいと思っているのに。考えてくれただけでもう、私は幸せなくらいです、から」

ことり「そんな大げさな......」

あははと、笑おうとして海未ちゃんの方を見てみると、なにやら思いつめた顔をしていて。

海未「振られる覚悟はできていますから、さぁ、一思いにお願いします」

海未ちゃんにとっては今この状況はとても笑えるようなものではないことをことりはようやく知りました。
87 49人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-19 00:08
いいね
88 48人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-19 00:17
この時に戻れるのなら。

もし、この時の、この海未ちゃんに会えてお話をすることができるなら。

ことりは訊きたいことがある。

海未ちゃん、ねぇ、教えて。

振られる覚悟って、どうやってすればいいのかな。

誰かと離れ離れになる時って、どうやって自分の悲しみを押さえ込めば相手の迷惑にならないでいられるのかな。

戻れるのなら。

もし、時間が巻き戻るのなら。

教えて欲しいよ。

他の誰でもなく、海未ちゃんに。
89 50人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-19 01:41
ことり「海未ちゃんは」

海未「はい」

ことり「......好きって気持ちどうやって気づいたの?」

海未「はい?」

ことり「だから、海未ちゃんにとって、誰かを好きってどういう気持ち?」

海未ちゃんの目を覗き見ると、驚いたように大きくなった瞳がことりを見てすぐに目を逸らされました。

海未「どういうって......そ、そんなこと言われましても」

海未ちゃんの顔が一瞬で赤くなって、えーと、そのぉー、そんなこと本人に言うなんて、と、ことりの方をチラチラと伺うように見ています。

端から見たら嫌われてるんじゃないかって思われるかもしれないくらいの態度で、なんというか、急に心もとなくなってきてしまいました。

海未「す、す、好きって、その人が自分以外の誰かといたら気になったり」

ことり「うん」

海未「今なにしてるのか、と思ってしまったり」

ことり「うん」

海未「気づいたら目で追ってしまっていたり」

ことり「うん」

海未「あの、これ、恥ずかしいんですけど」

ことり「大丈夫だから、続けて」

えぇ、まだ言わないと駄目なんですか......と不満をこぼして、それでも海未ちゃんは顔を真っ赤にして目を逸らしてはことりの方を見て、目が合ったら逸らしてを繰り返しながら伝えてくれました。

海未「他の誰よりそばにいて欲しくて、守ってあげたいと思うし、でも、自分も......その守ってもらいたいと思うし、優しくありたいと。
......いや、人に優しくするのは人として当たり前のことですが、その人には特に優しく接したいなと思ってしまったり自分自身もその、その人に優しくしてもらいたいなぁと思ったり......思わなかったり」

それまでキョロキョロとせわしなかった海未ちゃんが、そこでふと、暖かく微笑んで、心から願っていることのように言いました。

海未「でも、やはり、その人が幸せでいて欲しいと自然に思ってしまうというのが一番ですかねぇ」
90 50人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-19 01:54
ことり「......」

ことり「......そうなんだ」

海未ちゃんの微笑みの暖かさと柔らかさに少し見とれて、見とれた自分に気がついて恥ずかしくなって、その笑顔から目をそらしました。

普段あんなにカッコよくて、誰からも頼りにされてる海未ちゃんがあんな顔をするなんて。

そして、海未ちゃんにそんな顔をさせているのが、ことり自身だなんて。

なんだか、信じられませんでした。

海未ちゃんは、ことりの幸せを願ってくれてるんだ......。

ことりの気持ちは、そんな海未ちゃんに追いついているのかな。

自信、なくなってきた。

海未「あの、ことり。何か言ってくれないと恥ずかしいのですが」

ことり「......海未ちゃんは凄いね」

海未「いや、凄くないですよ?」

ことり「ううん。凄いよ。ことり、まだよくわからないもん、好きなのかどうって」

海未「それっていうのは......つまり、振られるということでいいんですかね?」

海未ちゃんの顔が険しくなって、2人の間の空気がちょっと重たくなりました。


ことり「海未ちゃん、お願いしてもいい?」

海未「お願いですか」

ことり「うん、そう。お願い」
91 50人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-19 02:14
ことり「ことりはね、海未ちゃんが好きなんだと思う」

胸がドキドキする。

頬が熱を持つのがわかる。

海未「えっ」

海未ちゃんが驚きと喜びを混ぜ合わせたような声をあげる。

でも、恥ずかしくてまともに海未ちゃんを見られない。

だから、とりあえず、伝えるべきことに意識を集中させないと。

ことり「うん。そう。......好きなんだと思う」

ことり「でも、思うだけでまだ自分でよくわからないんだ。海未ちゃんのこと、海未ちゃんがことりを想ってくれてるようにちゃんと想えてるのか」

ことり「だから、お願い。ことりのこと、待ってて欲しいんだ。海未ちゃんと同じ気持ちになれるまで。海未ちゃんのこと、好きって心から言えるまで」

ことり「できれば......海未ちゃんのそばで」

ことり「こんな調子のいいお願い、ダメ、......かな?」
92 50人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-19 02:31
言い終えて、恐る恐る海未ちゃんの方を見てみると、海未ちゃんは手で顔を押さえて狼狽えてました。

海未「え、あの、それは、つまり、えと、いいんですか?......私で、ことりは」

ことり「うん。ことりは、海未ちゃんがいい。海未ちゃんと一緒にいたい」

ことり「海未ちゃんに教わりたい。好きって気持ち」

いきなり海未ちゃんが両手で両頬を打って、パンッと甲高い音が響きました。

ことり「え?」

海未「す、すみません。ちょっと本当なのかどうか信じられなくて」

そう言うとまた海未ちゃんはさっきより軽めに二度頬を打ち、そのたびにパシッパシッと痛そうな音が聞こえました。

海未「痛いです」

ことり「見てることりも痛いです......ほっぺた赤くなってるよ」

海未「......あぁ、本当、なんですね。夢じゃないんですね......」

海未「よかった......」

ジーンと感動してくれている海未ちゃんいて、その姿を見ているとなんだかそれだけでことりも嬉しくなっちゃって。

ことり「ふふっ。えーっと、じゃあ、海未ちゃん」

海未「はい?」

海未ちゃんの両手をとって、胸のあたりまで持ってきました。

海未「うぇ!? こ、こ、ことり!!」

ことり「ことりと付き合ってくれませんか?」

数秒ぽかんとした表情を浮かべたあと、ゆでダコのように真っ赤になった海未ちゃんは、「喜んで」とことりのことを引き受けてくれました。

そのまま手を繋いで帰った帰り道。

すっかり日は暮れていて、月と星が輝く夜空の下で、触りなれているはずの海未ちゃんの手の感触がやけに新鮮に思えて。

「この手を離したくないなぁ」とことりはなんとなく思いながら、真っ赤になったままの海未ちゃんの隣を歩いたのでした。
93 50人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-19 02:32
ここまでで。
94 51人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-19 02:52
スレタイとはまったく別な丁寧さw
いいよ
95 52人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-19 03:53
スレタイ詐欺ってこういうことを言うんだろうな

支援アンド支援
96 49人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-19 06:58
これは素晴らしいものですね
97 53人目 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015-08-19 07:14
ハラショーなスッドレ
98 54人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-19 08:00
ふんどしとか言ってたのが懐かしいな
99 55人目 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015-08-19 13:04
結局海未ちゃんは今でもふんどしを穿いているのか、いないのか
104 60人目 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015-08-19 23:57
>>99
そういう物語の琴線に触れちゃいそうな話題はやめなさい
100 56人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-19 17:55
素晴らし過ぎて奇声あげてる
101 57人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-19 19:38
乙、いい…
102 58人目 名無しで叶える物語(ちゃんぽん)@\(^o^)/ 2015-08-19 23:14
ほ!
103 59人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-19 23:46
たのしみじゃ
105 61人目 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015-08-20 00:33
物語の琴線とは
106 62人目 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015-08-20 11:38
凛「琴線に触れるの使い方間違ってるにゃ。辞書引くにゃ。」
107 63人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-20 11:46
さすが凛ちゃん、賢いにゃー
108 64人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-20 22:15
ほ!
109 65人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-21 06:54
良かった……読んでて胸が切なくなったな
110 66人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-21 19:24
ほ!
111 67人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-22 02:40
112 68人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 12:32
次の日、穂乃果ちゃんには真っ先に報告。

放課後、穂乃果ちゃんの家で。

ほむまんをかじりながら、ことりと海未ちゃんが付き合うことを知った穂乃果ちゃんは「やったね!!」と自分のことのように喜んでくれました。

「穂乃果の特訓の成果だー」と叫ぶ穂乃果ちゃんにガバッと抱きつかれ、「いや、ちょっと穂乃果、ことりが見て!?」と顔を真っ赤にしてタジタジとことりの方に「助けて」と視線をよこす海未ちゃん。

穂乃果「え、穂乃果が海未ちゃんに触ったらことりちゃん嫌?」

ことり「全然嫌じゃないよ」

穂乃果「海未ちゃんは穂乃果がことりちゃんと仲良くしたら嫌?」

海未「そんなことあるわけないでしょう。何を言ってるんですか、あなたは」

数秒穂乃果ちゃんがフリーズして、どうしたのかな?とことりと海未ちゃんが近づくと

穂乃果「よかった。穂乃果、もうふたりと仲良くしちゃダメなのかなって思った」


そう言うって、穂乃果ちゃんが今度はことりと海未ちゃんの両方に抱きついてきました。

ぎゅーって片腕だけでも痛いくらいに抱きしめられる。
ことりの右側に海未ちゃんが、海未ちゃんの左側にことりが押し付けられて、ふたりの正面には穂乃果ちゃんが寄り添って。
なんだか、穂乃果ちゃんと海未ちゃんとことりで、サンドイッチになっちゃったみたい。

海未「穂乃果でもそういうこと気にするんですね」

穂乃果「相談乗ったのにその言い方ー!?一」

ことり「穂乃果ちゃんかわいいー」

穂乃果「わーい!ことりちゃんにかわいいって言ってもらえたー!ことりちゃんもかわいいよー!」

ことり「ありがとう、穂乃果ちゃーん」

海未「ちょ、ふたりともくっつきすぎではありませんか!?」

ことりと穂乃果ちゃんは一瞬目配せしあったあと、今度はふたりで海未ちゃんに抱きつきました。

海未「は、破廉恥です!?」

ことりはもうモヤモヤとしたものを感じませんでした。
113 68人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 12:40
それから、ことりと海未ちゃんは自分たちのペースでお付き合いを続けました。

いつも穂乃果ちゃんと海未ちゃんとことりで、3人一緒だったせいか、海未ちゃんと2人だけでどこかに行ったりするってことにことりも海未ちゃんも最初は馴染めませんでした。

初めてのデートは、お互いに緊張してるのが相手に伝わってしまうくらい顔に出てて。
今でも思い出すと笑っちゃいます。

いつの間にか、手を繋ぐのが当たり前になって。
いつの間にか、横にいるのが当たり前になって。
いつの間にか、歩いている2人の間の距離が短くなっていって。

気がつくと、中学校で3回目の冬休みも終わって、ことりたちの卒業式まであと1週間という時期になっていました。
114 68人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 13:24
3年の4月の時点で音乃木坂の判定がDだった穂乃果ちゃんは1学期の間はダラダラと勉強に気が入らないみたいで、
海未ちゃんにことあるごとに「勉強しなさい」と小言を言われてはことりに助けを求めていました。
穂乃果ちゃんに頼まれたら断れなくて、海未ちゃんをなだめようとすることりもことりだよね。

3人とも推薦を志望したけど、通ったのはことりと海未ちゃんだけで。

落ち込んでいるであろう穂乃果ちゃんを励ますために海未ちゃんと穂乃果ちゃん家にいくと、穂乃果ちゃんはあっけらかんと言いました。

穂乃果「だいじょーぶ!!絶対一般で合格するから!!」

Vサインまでことりと海未ちゃんの方に向けてます。
推薦の結果発表後、穂乃果ちゃんを心配しすぎて海未ちゃんは胃を痛めていました。

稽古の合間にことりの家に来ては部屋の海未ちゃんお気に入りの、人をダメにするソファーの上でグッタリとして
「穂乃果......大丈夫でしょうか......こうなったら、私も推薦を蹴って穂乃果と一緒に一般で......あぁ、胃が痛い」
とうなだれる海未ちゃんの姿はまるで、陸に上がったアザラシさんみたいで可愛かったのはことりだけが知ってる秘密です。

海未ちゃんが呆れた声で言いました。

海未「穂乃果、わかってますか?」

穂乃果「なにを」

海未「穂乃果が受からないと......もう3一緒にいられなくなるんですよ」

穂乃果「......」

海未「高校は忙しいと聞いています。それに音乃木坂に落ちてしまったら、日程的にあとは都内の公立高校しな選択肢が
ないです」

海未「誰かがいなくなってしまう......離れ離れは、もうこりごりです」

その海未ちゃんの一言で、穂乃果ちゃんの顔が変わりました。


穂乃果「わかってる。本気でやる」
115 68人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 13:37
そこから何かのスイッチがカチンと入ったかのように穂乃果ちゃんは猛勉強。
ことり達は推薦者に出された課題を、穂乃果ちゃんは海未ちゃんや学校の先生に出された課題を黙々とこなしていきました。
3人で図書館やお互いの家に通い合って、苦手なところを教えあったり、問題を出し合ったりして、穂乃果ちゃんの合格を目指しました。


努力の甲斐あって、無事に音乃木坂への合格が決まった時は嬉しかったなぁ。

掲示板を前に3人一列で並んで、下を向いて。

海未「いちにのさん、で見るんですからね」

ことり「抜け駆けはダメだよ?」

穂乃果「おっけー。じゃあ、掛け声スタンバーイ」

海未「いち......」

ことり「にの......」

穂乃果「せっ!!」

3人同時に仰ぎ見て、ほとんど同時に穂乃果ちゃんの番号を見つけました。

海未「あ、ありました......」

ことり「......よ、よかった」

穂乃果「......」

穂乃果ちゃんがなにも言葉を発しないまま、ヘニョヘニョと地べたに座り込みました。

海未「あれ? 穂乃果? 嬉しくないんですか?」

ことり「穂乃果ちゃん?」

フルフルと涙目の穂乃果ちゃんがことりと海未ちゃんの顔を見て言いました,

穂乃果「あ」

ことり・海未「あ?」

穂乃果「安心したら腰が......抜けた」


腰が抜けて立てなくなった、生まれたての小鹿みたいな穂乃果ちゃんの左肩をことりが、右肩を海未ちゃんが抱えて、穂乃果ちゃんの家まで送っていきました。

ことりはあの時、どうして穂乃果ちゃんのやる気スイッチが入ったのか、とか、本当のところよくわかってなかったんです。

ただ、穂乃果ちゃんが本当にことりと海未ちゃんと3人で一緒にいたいと思ってくれてるから、苦手な勉強も頑張ってくれてるんだと思ってた。

もちろん、それも理由の一つにあるんだと思う。割合的には6:4ぐらい。
6割が一緒にいたい気持ち。
残りの4割は......。

ことりと海未ちゃんに抱えられながら「ゔがっ"でよ"がっ"た"ぁ"あ"あ"あ"」と泣く穂乃果ちゃんに海未ちゃんも涙声で「受かってくれてありがとうございました、穂乃果」と返していました。
116 68人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 14:06
音乃木坂の合格発表は2月14日。
バレンタインデーの日でした。

穂乃果ちゃんを家に送って、3人で合格のお祝い会は後日しようと約束して、2人で穂むらをでました。

海未「ことりの家に送りがてら、少し、散歩しません? 」

ことり「うん! ことりもそう言おうと思ってた」

視線が自然に重なって、どちらかともなく笑い合って手を繋ぎます。

道には垣根から飛び出した梅の花があちらこちらで顔を出していて、春が近づいていることを知らせてくれました。


海未「穂乃果が合格してたので、これで私も一安心です」

ことり「胃が痛いのは治った?」

海未「うむ。心なしか胃が軽くなった気がしますね」

ことり「ふふっ。穂乃果ちゃんのお父さんもお母さんも、雪穂ちゃんも喜んでたね」

海未「それはまぁ。あの穂乃果の合格ですからね。明日から穂乃果合格祝いのセールとかしそうです、あの両親は」

ことり「ふふっ。そしたらほむまん沢山買わないとだね」

海未「ですね! 食べるの手伝ってください!」

ことり「どんだけ買うの!?」

「冗談です」って海未ちゃんが笑う。
その暖かな微笑みが、全部ことりに向けられていて、ことりのためだけにあることに、いまさらながら、幸せだなぁって胸の中が暖かくなる。

あっという間にことりの家の前までついちゃって。

海未「では、また合格お祝い会のことは3人で話合いましょうね」

そう言って、帰るそぶりを見せるくせに、なかなか手を離そうとはしない海未ちゃんがやたらとかわいいんです。

ことり「あ、そういえば! ちょっと待って海未ちゃん!」

そう言って、ゴソゴソとバッグの中を漁ります。
あれ?ない? ない?......あれ?
出かける前にちゃんと入れたと思ったのにな。

海未「どうしました?」

ことり「......ごめん、海未ちゃん」

海未「えっと......?」

ことり「チョコレート作ったんだけど、バッグに入れるの忘れたみたい」

海未「チョコレート......?」
118 69人目 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015-08-22 15:04
海未ちゃん可愛い
119 70人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-22 15:38
きてた
120 68人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 15:57
先に部屋に行っててもらって、チョコレートを探します。

ことり「あれ?ないなぁ。玄関に忘れたのかと思ってたのに」

頭にはてなマークを浮かべながらキッチンに行って、沸いたお湯をティーポットに注いでいると、テーブルの上に何やらメモ書きを見つけました。

メモはお父さんの字で、

『玄関にチョコレート忘れてたよ。溶けるといけないから、冷蔵庫に入れておいたからね。
p.s. お父さんの分は?』

急いで冷蔵庫を見てみると、朝早起きしてくるんだ見覚えのある袋を見つけました。

箱を開けて中を確認。

よかった。溶けてない。

ことり「やっぱり玄関に置いてたんだ。お父さん、ありがと」

もちろん、お父さんの分のチョコレートも用意していて。
冷蔵庫に入れていたんだけど、お父さんはそれには気がつかなかったみたいです。
お父さんが仕事から帰宅したら、ちゃんとチョコレートをあげようと思いました。

買い置きしていたお菓子を幾つかお皿に入れて、紅茶、そしてチョコレートを持ってことりの部屋に向かいました。
121 68人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 16:07
ことり「海未ちゃん、お待たせー」

部屋に入ると、既に人をダメにするソファーの上でダメになってる海未ちゃんを発見しました。

海未「ことりー。待ってましたー」

普段はキリッとしている海未ちゃんなのに、そのソファーに座るとフニャフニャになるのがなんだか面白いです。

海未ちゃんのために買っていたわけではないけど、付き合ってから海未ちゃんがことりのお部屋に来るたびにいつからか、そのソファーが海未ちゃんのお気に入りの場所になって。

いまではもう、ダメにするソファーはことりのお部屋の中の海未ちゃんのナワバリって感じでした。

ことり「海未ちゃん、本当にそのソファー好きだねぇ」

クスクスと自然に笑いが漏れてきます。
ソファーの前に置いているテーブルの上に持ってきたものをコトンとおきます。

座りながらチョコレートは海未ちゃんから見えないようにことりの座椅子の背もたれの裏に隠しました。

海未「はい。私の家ではこういったソファーの類の家具が置いてないので。なんだか、好きなんです」

ことり「持って帰ってもいいよ、って行ってるのに」

そういうと、海未ちゃんは抗議してきます。

海未「違うんです。持って帰るとかいう問題じゃないんです! ことりの部屋でこのソファーに座るのがいいんです!」

かなりの頻度でするやりとりなのに、ことりの部屋でマッタリするきっかけを失わないようにと必死な海未ちゃんが、やっぱりかわいい。

ことり「わかったわかった。ソファーはことりのお部屋に置いておこうね。ほら、海未ちゃん。紅茶飲もう?新しいの買ってきたんだー。飲んでみて」

海未「いただきます」

ソファーに仰向けで抱きついていた海未ちゃんが、座り直して紅茶のコップに手を伸ばしました。
122 68人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 16:09
×仰向け
○うつ伏せ
123 68人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 16:24
小さい時から海未ちゃんが飲み物を飲んでいるときはたいてい緑茶だったから、海未ちゃんは硬派な緑茶主義者なのかと思っていたけど、
付き合ってからことりの家に遊びに来るたびに紅茶を飲ませていると、海未ちゃんは紅茶大好きっ子になってました。

海未「やはり、ことりの淹れてくれた紅茶はいつも美味しいから好きです」

ことり「そう? 紅茶とか誰が淹れても変わらないと思うけどなぁ」

そう言うと海未ちゃんは、その認識はとんでもない、と、勉強の合間に自分で紅茶を飲んでいた、ということを教えてくれました。

海未「どうしてもうまくいかないんですよね。ことりが淹れてくれたみたいな味がしなくて」

ことり「ふふっ」

海未「何笑ってるんですか、ことり」

ことり「海未ちゃんが紅茶を自分で淹れてるなんて、なんだか想像したらおかしくて」

海未「し、失礼なっ! 私だって紅茶くらい淹れますよ!! 炒飯だって作れるんですから!!」

プンプンと怒る海未ちゃん。
そうだった、海未ちゃん、炒飯も好きだったんだった。
以前、海未ちゃん家でお昼ご飯ご馳走になったとき、炒飯でてきたもんね。

ことり「紅茶の味が違う......。そうだねぇ。未ちゃんの家ってティーポットってある?」

海未「ティーポット?」

話を聞くとどうやら海未ちゃんは紅茶を急須で淹れていたみたいです。

海未「なるほど、それで味が」

ことり「お湯の温度も緑茶と紅茶じゃ違うからね。今度、紅茶の淹れ方教えてあげるね」

海未「はい、お願いします!」

海未ちゃんは紅茶を一口飲んで、幸せそうにニパっと笑いました。
124 68人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 16:44
それから2人でお菓子を食べながらおしゃべりをしました。
他愛もないおしゃべり。
高校楽しみだねー、とか、音乃木の制服可愛いから海未ちゃん似合うだろうなぁー、とか、海未ちゃんは高校になっても弓道部に入るの?とか、ことりは部活入らないんですか?とか。

そうやって、なんでもない会話を海未ちゃんと積み重ねていくのがいつの間にかとても好きになってた。

海未ちゃんとの関係は、幼馴染から恋人に変わった。

お互いの家で遊んだり、泊まることが多くなって、海未ちゃん家の畳まれた洗濯物の中にあるふんどしにもだんだん見慣れた。

干してあるふんどしも、野良猫除けかな?ってぐらい気にならなくなっていった。

はじめは照れてばかりで目もあまり合わせてくれなかった海未ちゃんが、頬を染めつつもいつからかことりの目を見て優しく微笑んでくれるようになった。

ことりだけに見せてくれる顔が増えていった。

こんなに海未ちゃんもダラけるし、甘えん坊なんだって知って、驚いた。

でも、その分、胸の中がギュッと切なくなって、大切なものが増えていっている気がした。

海未「ことり?」

急に黙ったことりに海未ちゃんが不安な声を出します。

ことり「あ、海未ちゃん、あのね。これ」

このタイミング、かな、と背もたれの裏に隠したチョコレートを海未ちゃんの前に出しました。

海未「あの、これは」

ことり「ふふ、チョコレート。お口に合えばいいんだけど」
125 70人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-22 16:50
ふんどし出たw
126 68人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 16:56
海未「あ、ありがとうございます」

おずおずとお礼を言って受け取る海未ちゃん。

ことり「できれば開けてみて味の感想もらいたいけど、お菓子でお腹一杯かな?」

海未「いえ! い、いただきますっ!」

ガサガサと包装をといて、海未ちゃんがチョコレートの入っている箱をパカっと開けました。

海未「......あ」

チョコレートを見るや、海未ちゃんが顔を真っ赤にしてことりの顔を見てきます。

ことり「一昨年はザッハトルテで、去年はガトーショコラだったね。でも、今年はちゃんと作ってみたんだ」

一昨年も去年もイマイチ、これだって思えてなかった。
まだ、分からなかった。
海未ちゃんのことを好きなのか同情なのか。
でも、今年は違ったよ。
ちゃんと作れた。
心から、好きなんだってわかったから。

海未「ハート型......のチョコレート......なんて、食べるのがもったいないですね」

立ち上がって、海未ちゃんの隣に行く。
急に立ち上がったことりに海未ちゃんは不安そうな表情を一瞬浮かべたけど、ことりが隣に座ったら、顔をさらに真っ赤にして、伏せちゃった。

ことり「海未ちゃん、待っててくれてありがとうね」

海未ちゃんの瞳が一回り大きくなって、揺れました。

海未「それは......つまり。このチョコレート通りに受け取っていいということですか?」
127 68人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 17:24
ことり「......チョコレート、少し溶けちゃってるね」

暖房の効いたお部屋の中で置いておいたせいか、ハートの表面が少し溶けて、電灯の下でヌラリと光っていました。

指で掬って舐めてみる。

偽りがなくて、混じりっけのない甘さにクラクラと舌が痺れちゃいそうでした。

ことり「海未ちゃん、大好きだよ」

その言葉に海未ちゃんの身体がピクリと跳ねます。

海未ちゃんが距離をつめてきて、ギュッと抱きしめられました。

ドキドキと、触れたところから海未ちゃんの心臓の振動が伝わってきます。

海未「本当に?」

ことり「ん。本当。好き、海未ちゃんが好き」

コツンと額を合わせられました。

海未ちゃんの目が目の前にあって、恥ずかしさに目を閉じてしまいたくなります。

海未「ことりは、私のどんなところを好きになってくれたのですか?」

ことり「んー。どんな海未ちゃんでも好き」

海未「ことりは寛容ですね。ぐ、具体的には?」

ことり「知りたいの?」

海未「できれば」

ことり「......穂乃果ちゃんのこと、真剣に応援した海未ちゃんとか」

ことり「炒飯楽しそうに作ってる、海未ちゃんとか」

海未ちゃんがことりの腰に手を回してきます。

こういうこと、初めてするのに、どこで覚えてきたんでしょう。

海未「あ、ああ、なるほど」

何を狼狽えているんだろう、海未ちゃん。

ことり「他にはねー」

海未「ま、まだあるんですか?」

ことり「もうやめる?」

海未「いえ、続けてください」
128 68人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 17:29
ことり「海未ちゃんだって女の子なのに、ことりのこと優先して送り迎えしてくれたりしてくれるとことか」

海未「私は鍛えてますから、それは当然です」

ことり「当然なの?」

海未「はい、当然です」

海未ちゃんが笑って、目が優しく細くなる。

ことり「あとは、ふんどし履いてる海未ちゃんも好き。海未ちゃんに似合ってる」

腰に回された海未ちゃんの腕にグッと力が入りました。

ことり「あとはー」

海未「えっと、......やっぱりもういいです」

「そう?」と言いかけたのに、それは音になっていなくて、代わりに柔らかいもので口元が覆われました。

それがキスだと気付いた時には海未ちゃんはもう離れていて。

息を飲むことも辛くなるくらい心臓がバクバクしました。

ことり「いきなりは......ズルイよ......」

海未「いや、そのすみません。嫌でしたか?」

ことり「......嫌なわけ......あるわけないけど......」

海未「ことりの顔、真っ赤です」

ことり「......海未ちゃん、もう一回」

海未ちゃんの服の腕のあたりをギュと掴むと「チョコレート味」と言いながら、また海未ちゃんがキスをしてくれました。
129 68人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 17:29
また夜に
130 71人目 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015-08-22 17:42
ぴゃい!
131 72人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-22 18:29
もう夜だぞ
132 73人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 18:47
あく
133 74人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-22 20:49
やば過ぎる
134 75人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-22 21:06
こんにゃくといい、ことうみ書くiPhoneは素晴らしい
135 76人目 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015-08-22 21:31
あまーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
136 77人目 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2015-08-22 22:06
あぁぁぁぁぁ甘すぎて死にそう
137 67人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-22 22:31
控えめに言っても神っすわ
138 78人目 名無しで叶える物語(水都アリスタシア)@\(^o^)/ 2015-08-22 22:40
海未ちゃんからリードするなんて…
海未ちゃんも成長したんやなぁ

てかまだふんどし履いてたんかww
高校あがるまでにパンツ履かせてあげてくださいオナシャス
139 79人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-23 00:56
急用が入ってしまったので、明日必ず続き書きますすみせん
140 80人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-23 07:32
楽しみ期待
141 81人目 名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/ 2015-08-23 13:08
たのしみ
142 79人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-23 20:50
中学生最後の海未ちゃんの誕生日は卒業式の次の日でした。

卒業式のあとは穂乃果ちゃんの家と海未ちゃんの家とことりの家の家族全員でお食事会。

3人とも両親揃って共働きでなかなか全員で揃うってことがないから、みんなのお母さんお父さんが仲良くお酒を飲みながらお話をしているのってとっても不思議な感じがしました。

お母さんたちが「また高校行ってもよろしくお願いね」とか「南さんが理事長なんて頼りになるわね」とか話しているかと思えば、
その横でことりのお父さんが穂乃果ちゃんと海未ちゃんのお父さんに「南さん、もういっちょ」「南さんイケますね」「営業で鍛えましたからね」とひたすらお互いにお酒を注ぎあっている風景はなんだか微笑ましかったです。

お父さんもお母さんも普段仕事が忙しくてあまり家にはいないから、「お父さんとお母さんってこんな風に笑うんだな」と。
もちろん2人はことりに優しくて、笑顔がない家庭ってわけではないんだけど、ことりが穂乃果ちゃんや海未ちゃんに向ける笑顔とお父さんお母さんに向ける笑顔がなんだか少し違うように、

お父さんとお母さんのその時の雰囲気はまるで友達と接している時のような感じがして。
いつもはお父さんもお母さんもことりには父、母として接してくれているんだなってなんとなく思いました。

穂乃果「んー、このお肉美味しいー」

海未「穂乃果、野菜も食べなさい。雪穂はちゃんとお肉食べれてますか? これ、どうぞ」

雪穂「ん、食べれてるよ。海未ちゃんありがとう。お姉ちゃん、野菜も食べなよ」

穂乃果「んもー、2人とも。せっかく美味しいお肉食べられるんだから野菜ばっか食べてたら損だよ?」

雪穂「そんなんだから太るんだよ」

穂乃果「ゆっきー! なんで私が太ったこと知ってるの!?」

ことり「穂乃果ちゃん......」

海未「全く。ほら、ことりも。ちゃんと食べないとどこぞの穂乃果に肉を食べられちゃいますよ」

ことり「ふふっ。ちゃんと食べれてるよ、ありがとう」

そうやって、4人で食べているこの時の雰囲気がことりはなんだか好きでした。
4人姉妹になっちゃった感じ。
143 79人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-23 20:59
みんなでお腹一杯になって沢山飲んで食べて、お父さんたちもお母さんたちもいい感じに出来上がった頃にお食事会はお開きになりました。

帰りがけ、「ふたりとも!」と穂乃果ちゃんに呼び止められました。

何かと思ったら穂乃果ちゃん。
ピョンとジャンプしてことりと海未ちゃんに抱きついてきて

穂乃果「今までありがとう!! 高校行ってもよろしく!!」

と、言ってギューと力強くハグしてきたかと思うと「それじゃ!!」とものすごい速さで走って帰ってしまいました。

ことり「照れてたのかな?」

海未「みたいですね。穂乃果でも照れること、あるんですね」

2人で顔を見合わせてふふっと笑った後、お互いその日は家族と家に帰りました。

帰り道、お父さんもお母さんもとても楽しそうで、ことりを真ん中にして、3人で仲良く手を繋いで帰りました。
こういうのを幸せっていうのかなぁってなんとなく思っちゃった。

帰って、お風呂に入ってから海未ちゃんにメール。

『明日は10時に迎えに行くね!』

すぐに返事が返ってきて、海未ちゃん、メール来るの待っててくれたのかなって、顔がニヤけちゃう。

『私が迎えに行きましょうか?』

だなんて。

誕生日の主役が何を言ってくるんだか。

それからしばらくどちらが迎えに行く、行かないのやり取りをしてたら、いつの間にか時刻は23時55分。

ちょっとドキドキしながら、海未ちゃんに電話をかけました。
144 79人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-23 21:26
突然の電話してしまったからか、海未ちゃんはおそらくメールかと勘違いしたのでしょう。

1コール目で切られました。

あちゃーっと思っているとすぐに海未ちゃんから電話がかかってきました。

海未『も、もしもし!? すみません、メールかと思ってボタン押したら電話切っちゃいました』

予想どうりの行動をしてて、ふふって、笑っちゃいます。

ことり「ううん。ごめんね、急に電話しちゃって。普段なら海未ちゃん寝てる時間だけど、起きてるなら声聞きたいなって思って」

海未ちゃんは、何も言わずになんでだか黙っちゃいました。

ことり「あれ? 海未ちゃん?」

電話越しになにやら海未ちゃんの声で「あー」とか「うぅ」とか聞こえてきます。

海未『ことり......そういうの、は、反則だと思います』

ことり「そういうのって?」

そうするとまた黙ってしまうというか、電話口でなにやらボソボソと
「えー、無意識ですか」「ちょっと破壊力が」とか聞こえます。

破壊力?

「よくわかってないなら......おうむ返しするしかないですよね、うん」と聞こえたかと思えば、コホンと海未ちゃんが咳を一つしました。

海未『あのー、ことり』

ことり「うん?」

海未『私もそのー、ことりの声が聞きたかったです』

ことり「......」

海未『......ことり?』

ことり「......」

海未『ことり? もしもし? もしもーし』

な、なるほど。
海未ちゃんが「あー」とか「うぅ」って言ってたのがなんなのか、わかりました。

悶えてたんですね。

ことりも心臓がトンデモナイことになってます。

思わず、近くにあったお人形をギューって抱きしめちゃう。

ことり「うぅ......なるほど......破壊力があるね......」

海未『ふふっ。わかってくれて、なによりです』
145 82人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-23 21:31
あぁ^〜
146 79人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-23 21:44
そんなやり取りをしていたら、時計の針がカチッと重なって、電話越しに海未ちゃんの家の時計がボーンボーンと時刻が0時になったことを知らせる音が聞こえました。

ことり「海未ちゃん、誕生日おめでとう」

海未ちゃんは、はぁー、と温かそうなため息をついて、シミジミとした感じで『ありがとうございます、ことり』と言いました。

ことり「ことりが一番にお祝いしたかったんだぁ......えへへ」

海未『ことりにお祝いしてもらえて私は幸せものです』

ことり「あーなんだか、すっごく海未ちゃんに会いたいなぁ」

海未『......私もことりに会いたいです』

ことり「ついさっきまで一緒に居てご飯食べてたのに、ちょっと離れただけすぐにこんなに会いたくなっちゃうよ」

海未『はい......本当に......』

ことり「......ん、海未ちゃんもしかして泣いてる?」

グスっていう音が聞こえた気がしました。

海未『いやぁ......ちょっと......』

海未ちゃんが途切れ途切れに言います。

海未『ことりに会いたいなぁ、と思ったら......涙が......』

卒業式でも泣かなかった海未ちゃんが、ことりに会いたくて泣くなんて。

なんだか、頭をものすごく固いものでゴツンと叩かれたような衝撃が走りました。

ことり「......明日は朝すぐに会いに行くからね、ほら、泣かないで」

海未『ふふっ。......そんな、子どもに言いきかすみたいに』

ことり「会ったらぎゅーってしたいなぁ。今すごくぎゅーってしたい気分」

海未『私もギューってしたいです』

2人でクスクスと笑いあって、それじゃあまた明日ねって、他の人からもきっとお祝いメールが届いてるだろうし、これ以上ことりが海未ちゃんを一人占めするわけにはいかないから電話を切ろうとしたけど、
どうしても切れなくて。

「切って」『切ってください』ってやり取りを繰り返した後、2人で同時に電話を切りました。

プープーって音を聞いていると、すぐにまた海未ちゃんの声が聞きたくなる。

ことり「いいもん。......明日会えるもんね。 遅刻しないようにもう寝ないといけないから、仕方ないよね」

自分に言い聞かせるようにして、お布団の中に入りました。
それでもなんだかちょっとさみしくて、マケミちゃん人形を机の上から持ってきて、その日は一緒に寝てもらいました。
147 79人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-23 22:09
次の日、海未ちゃんの家まで海未ちゃんを迎えに行きました。
海未ちゃんは玄関先でいつも通りな感じでしたけど、海未ちゃんの姿を見たらなにやら感極まってしまって。

ぎゅーって抱きついちゃいました。

ことり「海未ちゃーん」

海未「ちょっと、こ、ことり。恥ずかしいんですが」

海未ちゃんのお母さんが「仲がよろしいですね」とことりたちを見て微笑みました。

海未ちゃんのお母さんはいつも着物姿でスッとしていて。
大人になった海未ちゃんはこんな感じなのかなぁってなんとなくイメージを重ねてしまいます。

ことり「よーし! 今日はことりがエスコートするからねっ!」

穂乃果ちゃんになったみたいに拳でトンと胸を叩きます。

海未「ふふっ。楽しみです」

「気をつけていってらっしゃい」と海未ちゃんのお母さんに見送られて、ことりと海未ちゃんのデートがはじまりました。
148 79人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-23 22:12
短いですが、今日ここまでで
149 82人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-23 23:04
乙、もうあぁ^〜しか言えない
150 83人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-23 23:45
プレゼントは用意してあるのか一緒に買いに行くのかさて
151 84人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-24 00:37

88の部分の文章考えるとなんだかこの幸せな感じが切ない
152 85人目 名無しで叶える物語(玉音放送)@\(^o^)/ 2015-08-24 21:14
あぁ^〜いいっすねぇ^〜
153 86人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-25 16:15
海未ちゃんと過ごす時間は本当に楽しくて、嬉しい。

いつも乗っていた電車の中だって、電車が揺れて海未ちゃんと肩が触れ合うたびドキドキする乗り物になっちゃう。
いつも食べてたパスタだって、海未ちゃんと食べたらもっと美味しい。
海未ちゃんと居ると、周りのものが輝いて見える。

なんでもないことが、そのなんでもないものの中に秘めていた光をことりたちに向けて放っているみたい。

まるで、火をつけるまで何色の光かもどんな光り方をするかもわからない花火の導火線に火をつけていくみたい。

こんな風にことりの周りにあるものって、すばらしいものたちだったんだなって、新しい発見をする。
その眩しさと初々しさに、目が眩みそうでした。


幼馴染だった頃とは比べものにならないくらい海未ちゃんを知っていく。
海未ちゃんもことりのことを知っていく。


どういう風に違うのかって誰かに聞かれても具体的には答えられないけど、
「この人には自分を見せていいんだ」って思うし、
「この人の弱い部分も汚い部分も全部見て、受け入れたいな」って思っちゃう。

海未ちゃんだって、人間だし、全てが全て完璧なわけじゃないし、強いわけじゃないし、でも、弱いわけでもない。
ことりだって、そう。

そういうことがことりなりの、誰かを好きになるってことなら、
ことりは本当に海未ちゃんが好きで好きで仕方がなかった。
154 87人目 名無しで叶える物語(ちゃんぽん)@\(^o^)/ 2015-08-25 16:21
待ってた
155 86人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-25 16:44
2人でめいいっぱい遊んで、気がついたらもう夕暮れが近づいている時間でした。

海沿いの道を手を繋いで歩いて。

春とはいえ、3月の夕暮れはまだ寒くて、海から吹きつける風がことりに当たらないように海未ちゃんはさりげなくことりの横を歩いてくれる。


ことり「鳥がたくさん飛んでるねぇ」

海未「魚の群れでもいるんですかね? 」

ことり「あはは」

真っ向から吹き付ける風に海鳥が翼を広げて、雲ひとつない、電線が一本も走っていない、大きく開いた空で高く高く上昇していきます。

海未「鳥はすごいですよね」

上を見上げたまま、海未ちゃんがつぶやきます。

ことり「どうして?」

海未「追い風も向かい風も味方につけて、その身ひとつで、自由に空を飛び回るんですから」

ゴゴゴゴという音がして、ことりたちが見ていた鳥のさらに上空を大型の旅客機が小さく飛んでいました。

海未「私も、鳥のように飛んでみたい」

飛行機の音に紛れて、多分海未ちゃんはそんな風なことを言いました。

でも、ことりの耳にそれは途切れ途切れにしか聞こえてきてくれなくて。

本当にそう言っていたのか、今となってはもう自信が持てない。

鳥も飛行機も見えなくなって、聞こえてくるのは風の音だけ。

ことり「海未ちゃんは、高いところ好き?」

海未「......好きと言えばすきですね?」

ことり「じゃあ、ことりとあれ乗ってくれる?」

そう言って、ことりは指をさして海未ちゃんを誘いました。

海未「ですが、もうそろそろ帰らないと門限に間に合わないですよ?」

ことり「誕生日の日までちゃんと門限を守ろうとするなんて、海未ちゃんは真面目だねぇ」

海未「親からの言いつけは守りませんとね......」

それから門限が......と門限を気にする海未ちゃんを「降りたらすぐ帰るから」と説得して、ことりと海未ちゃんは観覧車に乗りに行きました。
156 86人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-25 17:31
観覧車は空いていて、あまり並ばずにスンナリと乗ることができました。

海未ちゃんが先にゴンドラに乗って、その向かいにことりが座りました。

ゆっくりゆっくりと観覧車が地上から離れていく。
人も建物もミニチュアみたいに小さくなっていく。
ことりたちが日常から離れていって、普段は見慣れない、普段は見られない高度から夕暮れに染まり、だけど少しずつネオンの明かりが灯っていく東京という街を見下ろしていました。

海未「綺麗ですね」

あんなに乗り気じゃなかったのに、海未ちゃんはガラスにピタッとくっついて、感嘆の声をあげています。
ちっちゃい子みたいにはしゃいじゃって。

やっぱり、海未ちゃんも乗りたかったんだね、観覧車。
ことりの前で我慢なんてしなくていいのに。

外の景色に夢中になっていたかと思ったら、海未ちゃんが顔を赤らめてことりの方を見ていて。

何かと思ったら、ちょっとモジモジして

海未「あの、ことり。隣、座りません?」

だなんて。

ことり「横に並んで大丈夫かな?」

ってちょっとためらっていたら、無言で海未ちゃんが席を立ってことりの隣にストンと座りました。

海未「大丈夫でした」

そう言って笑いながら、ことりの手を握ってくる。
ぎゅーって海未ちゃんの温かいてのひらがことりの手を包んでくれる。

ことり「2人だけで観覧車に乗ったのって初めてだね」

海未「そうですね。観覧車にもあまり乗る機会ってないですから」

まるで海未ちゃんのせいでドキドキが止まらないことりの心臓に同調しているみたいに、風でギイギイとゴンドラが軋みをあげる。

ことり「今日は、海未ちゃんのことたくさん独り占めしちゃったなぁ」

ことりが言うと、海未ちゃんの頬がもっと赤くなる。
それをことりに見られるのが恥ずかしいのか、外の景色を見て、ことりから顔を逸らしちゃう。

ことり「海未ちゃん、こっち見て?」

海未「えっ......そんな、恥ずかしいですよ」

ことり「海未ちゃんがこっち見てくれたらいいものあげるのになぁー」

そう言うと、海未ちゃんがおそるおそることりの方を見てくれました。
157 86人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-25 18:01
ことり「はい、海未ちゃんお誕生日おめでとう」

海未「えっ......えっ......!?」

戸惑う海未ちゃんにプレゼントを押し付けちゃいます。

しばらく海未ちゃんはぼーっとことりとプレゼントを交互に見ていました。

海未「......プレゼント。今年はもらえないのかと思ってました」

ことり「どうして? 誕生日なんだからあげるよぉ〜」

海未「園田の家では、誕生日プレゼントをもらえるのは中学生までらしいので」

そんなことってあるんだなぁー、とことりは思いながら、海未ちゃんの家はやっぱり少し厳しいなとちょっと思ってしまいました。

ことり「なら、ことりは海未ちゃんの誕生日プレゼント、これからずっとあげるから」

ことり「ずーっと、ずーっと海未ちゃんの誕生日にはことりが海未ちゃんのことお祝いしてあげるよ」

海未ちゃんは顔をほころばせて、「ありがとうございます。嬉しいです」と、まるで目の前の光景が信じられないみたいに何度も瞬きをしました。

海未「開けてみてもいいですか?」

ことり「うん、いいよー。気に入ってくれるといいんだけど」

ガサガサと音が立てられて包み紙が開けられました。

包み紙が剥かれて出てきたそれを手にした瞬間、海未ちゃんはことりの方をびっくりした顔で見ていました。

ことり「海未ちゃん、持ってないみたいだったから。プレゼントにいいかなって思って選んだんだー。パンツ」
158 88人目 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2015-08-25 18:06
ここでか
159 86人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-25 18:16
海未「パンツ......これが......パンツ......」

海未ちゃんはぱんつの1枚を手にとって、掲げます。

海未「あっ......これは......」

気付いてくれたみたいです。

海未「パンツにくまさんのマークが。......こっちのは......ブタ......?」

ことり「流石にことりたちの大きさだとそういうパンツって売ってないからアレンジしちゃった」

この日のために頑張ってことりは記憶を探って、あの日海未ちゃんが見た穂乃果ちゃんのパンツの模様を思い出してそれを再現しようと試みました。

でも、子供用のパンツを見本としてだとしてもことりが購入するってなんだかおかしいらしくて、子供風売り場のお店の人に物凄い目で見られてしまって、どうしようか、とことりはネットで調べてみたところ、今、流行っているというブタさんのパンツにたどり着きました。

HPを見てみるとどうやら通信販売してくれるみたい。

これだー!! と思ったことりは早速ブタさんのマークがついたパンツを1枚購入。

それを見本に海未ちゃんのためにくまさんのマークとことりがアレンジしたブタさんのマークの入ったパンツを作ることができました。

ことり「海未ちゃん、ずっとふんどしだったでしょう? でも、ことり知ってるんだ。海未ちゃんが穂乃果ちゃんのパンツを凄く羨ましそうに見てたこと」

海未「えっ......」

ことり「小さい時、海未ちゃん、穂乃果ちゃんのパンツを見て、服の裾をぎゅーって力一杯握って俯いてたよね」

海未ちゃんが、あの日と同じように、服の袖をギューっと握って下を向きました。

ことり「ことり、見てたんだ。知ってたんだ。海未ちゃんのこと、海未ちゃんがくまさんのパンツを履きたがってたこと。我慢するときに、服をぎゅーって握って一人で耐えちゃうとこ」

ことり「好きになる前から、ずっとことりは海未ちゃんのこと、見てたんだよ?」
160 86人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-25 18:35
海未「ことり.....なんといえばいいのか......」

そう言って、海未ちゃんはホロっと眼から涙を零しました。

海未「はぁ......ぐすっ、......誕生日に、こんな風に泣きたくないですが、そうなんですね......。私のことを見ててくれた人がいたんですね」

海未「ずっと、私は、1人で我慢しているしかないのだと、思っていました......」

ポタポタ、と下を向く海未ちゃんから次々と涙が落ちて、服に滲んでいきました。

ことり「海未ちゃんはずーっとずーっと我慢して、偉い子だよね。海未ちゃんはいい子、いい子」

泣いてる海未ちゃんを抱き寄せて、頭を撫でてあげました。

幼い子みたいに泣きじゃくる海未ちゃんは、きっとことりが見た中で一番幼い海未ちゃんで。

それはきっと、本当に小さい頃に心から泣いて周りに甘えることができなかった海未ちゃんの本当の姿だったりするのかな、とちょっぴり思ったりして。

ほとんど沈みかけて、夜が始まろうとしている街の灯りがゴンドラの中で宝石みたいに輝いて見えてて。

そんな街を背景に、ようやく泣き止んで顔をあげた海未ちゃんがとてもきれいで素敵に見えた。

自然と、海未ちゃんにキスをした。

ことりから海未ちゃんに初めてキスをした。




ゴンドラを降りて地面に足を着く。
フワフワとした浮遊感の中、海未ちゃんは「今日の日を絶対に忘れません」と小さく呟いて微笑んでくれました。

その微笑みを見て。
ことりにだってそんな風に海未ちゃんを笑わせることができるなら、
これからも、ことりが海未ちゃんのこと、精一杯幸せにしたいと心から思いました。
161 86人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-25 18:36
今日ここまでで。
162 89人目 名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/ 2015-08-25 18:39
期待
163 90人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-25 18:40
イイハナシダナー( ;∀;)
164 91人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-25 18:40
なんで涙こらえてるんだろう俺
165 92人目 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015-08-25 20:38
パンツキタ━(゚∀゚)━!
166 93人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-25 20:56
なんだこの綺麗な感じ…
好き
167 94人目 名無しで叶える物語(玉音放送)@\(^o^)/ 2015-08-25 22:40
なんか感動した
続きもオナシャス

これからは海未ちゃんにもっとパンツ履いてほしいと思いました(小並感)
168 95人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-26 02:23
ついに海未ちゃんにパンツが
169 96人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-08-26 07:51
ことりちゃんは昔から海未ちゃんの気持ちを気にしてたもんね
なんか知らんが感動
170 97人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-26 12:10
こういう感動的なスレみると「海未ちゃんパンパカパーンツ」とか糞スレ立てているやつらを軽蔑するわ
171 98人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-08-26 13:44
乙、面白い
172 99人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-26 21:36
高校1年生になってからも、海未ちゃんと付き合いを続けていました。

海未ちゃんはことりがパンツをプレゼントして以来、パンツを履くようになって。
でも、それはことりの家にお泊まりする時だけ。

園田の家は高校生になった海未ちゃんにも継続してふんどしを履くことを強制し、海未ちゃんはその言いつけに逆らうことができませんでした。

「パンツを履いて、その上にふんどしを付けてみてはどうか?」とことりは海未ちゃんに提案したものの、真面目な海未ちゃんは「親を騙すことなんてできません」と辛そうな顔をして言いました。

ある日の朝、待ち合わせ場所に行くと、肩頬を腫らし俯き加減で元気がない海未ちゃんが待っていて、ことりは驚きながら海未ちゃんにその頬はどうしたのか、と問いただしました。

海未ちゃんは首を振るだけでその理由を教えてくれませんでした。

数日後、穂乃果ちゃんは穂乃果ちゃんのお母さんから聞いたという話を聞いてことりはびっくりします。

穂乃果「なんだかね、海未ちゃんの部屋からパンツが出てきて、それに海未ちゃんのお母さんが怒っちゃったんだって」

そんな馬鹿な、というのが一番の感想でした。
瞬時に、海未ちゃんのお母さんの顔が頭に浮かびます。
海未ちゃん家に遊びに行ったり、お泊まりした時はあんなに優しそうな人が、パンツが海未ちゃんの部屋から見つかったからって海未ちゃんに手を挙げるだなんて。

信じられない。

「海未ちゃんとちゃんと話し合ったほうがいいよ」と穂乃果ちゃんはことりにアドバイスをしてくれました。
174 99人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-26 21:49
パンツ取り上げ事件から少しして、海未ちゃんとは何事もなかったようにお付き合いを続けました。

2人の中でそのことはなかったことになっていて。
2人とも自分の容量以上の問題はそういう風に処理するしか、なかったんだと思います。


時間は過ぎて高校2年生になったころ、音乃木坂に廃校の危機が迫りました。

穂乃果ちゃんの提案でアイドルをすることになって。

ことりは海未ちゃんの家はアイドルなんて、そんなこと許すはずはないと思っていたけど、「穂乃果ちゃんがするなら」ということで、海未ちゃんがアイドルをすることに許可が下りた時は、忘れたと思っていたのに、胸の中にモヤモヤが戻ってきていました。

ことり「穂乃果ちゃんの言うことなら、海未ちゃん家も許してくれるんだ」

ことり「ことりじゃなくて、穂乃果ちゃんだったなら、海未ちゃんだってふんどしじゃなくてパンツが見つかったからってあの時、ビンタなんてされなくて済んだのかな......」

そんなことを思ったなんて、2人には当たり前だけど言えなくて。

ことりはとにかく、スクールアイドルというものを頑張って、廃校を阻止するという目の前の目標だけを見続けることにしました。


生徒会との衝突もありながらも、なんとかμ'sとして活動を続け、廃校を阻止することができるかもしれないという兆しが見え始めた時、その人はことりと海未ちゃんの前に現れました。
175 99人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-26 21:53
短いけど、今日ここまでで。
176 100人目 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015-08-26 21:54
おつおつ
177 101人目 名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/ 2015-08-27 04:26
おつ
178 102人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-08-27 08:01
179 103人目 名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/ 2015-08-27 17:19
乙!
180 104人目 名無しで叶える物語(もんじゃ【23:46 震度2】)@\(^o^)/ 2015-08-28 23:57
保守
181 105人目 名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/ 2015-08-29 02:02
182 106人目 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015-08-30 00:56
183 107人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-08-30 19:16
184 108人目 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015-08-30 20:35
ことりは海未母をビンタしにいくべき
185 109人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-08-31 21:51
期待
186 110人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-01 04:14
ほほ
187 111人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-09-01 18:53
フンドシコシコ
188 112人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-09-01 23:54
支援
189 113人目 のんたんは!omikuji(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015-09-02 22:20
はよ
190 114人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-02 23:19
その頃にはμ'sの練習も様になってきて、久しぶりに土曜日が休日でした。

いつも帰りに寄りたくても、2人とも曲作りや衣装に夢中になってしまってなかなか行くことができていなかった駅前に新しくできたクレープ屋さんに行こうという約束をしていて。

久しぶりの、海未ちゃんとの2人っきりのデートでことりは前日の夜からはしゃいでいました。

穂乃果『ことりちゃーん。穂乃果もう眠りたいよぉ〜』

ことり「あー、待って、穂乃果ちゃん! あと少しだから! それでね、こっちのスカートと合わせるならどっちの服がいいかなぁって思って! 今写真送るね!!」

穂乃果『......あ、写真着た。......うーん。よくわかんないけど、右のほうがいいんじゃないかな』

ことり「右かぁ......でも、左も捨てがたいような......」

穂乃果『海未ちゃんが好きそうなのは左だよね』

ことり「じゃあ、左にする」

穂乃果『......ね、ねむりたい』

穂乃果ちゃんと電話で着ていくお洋服とか、一生懸命相談しちゃったりして。

本当、浮かれてた。

あの夜の浮かれたままのことりでいられたら良かったのに。

穂乃果『まぁ、そんなにことりちゃんが一生懸命にならなくても、ことりちゃんが着てるものなら海未ちゃんなんでも可愛いって思ってくれると思うよ?』

ことり「そういうのは、ちょっと、......違うっていうか」

確かに海未ちゃんはことりが何着てても「可愛いですね」って言ってくれるけど、そういうのに甘えたくないっていうか。

ことり「どうせ、可愛いって言ってくれるなら、もっともっと、海未ちゃん好みなことりになりたいっていうか......」

穂乃果『......』

ことり「あれ? 穂乃果ちゃん? もしもーし」

穂乃果『......クレープ屋さん行く必要ないくらい甘いと思うんだけどなぁ』

穂乃果ちゃんとの電話は『甘々なの、ごちそうさま』っていう穂乃果ちゃんの台詞で切れちゃった。

しばらくして鳴ったメールの着信音に、穂乃果ちゃんまだ起きてるのかな? と思ったら、メールの送り主は海未ちゃんでした。
191 114人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-02 23:42
海未ちゃんがそんな時間まで起きてるなんて珍しいから何かあったのかなって、不安になってたのに

明日が楽しみで、なかなか眠れません

だなんて、送ってくるんだから。
普段は言わないのにそんなこと不意に言われたら、デートがもっともっと楽しみになってしまう。

ことりも楽しみにしてるよ

って返信して、2,3通ほど明日の待ち合わせ時間とかをお互いにメールあっていたけど、そのうち返事が返ってこなくなって。

きっと眠れたんだろうな、って思うけど、少しだけ寂しくなってしまったことりは欲張りだったかな。

穂乃果ちゃんと一緒に選んだお洋服をハンガーにかけて、目覚ましをセットして、やっぱり物足りないからマケミちゃん人形をぎゅーと抱きしめながらお布団の中に入りました。

窓からは月の明かりが入ってきていて、カーテンを閉めていてもお部屋の中がぼんやりと明るく感じました。

目を瞑ると、暗やみが広がる。
でも、そんな暗やみにも自然と海未ちゃんが真っ先に思い浮かんじゃう。

ことり「明日は楽しくなるといいなぁ」

そんなことを思いながら、いつの間にかことりも眠りにつきました。
192 115人目 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015-09-03 07:21
焦らすなぁ
193 116人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-09-03 14:50
なんだろう、不吉な予感…
194 117人目 のんたんは!omikuji(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015-09-03 21:13
悪い予感がするぞ………
195 118人目 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015-09-03 22:10
気になる
196 119人目 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015-09-04 23:50
続きはよ
197 120人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-05 20:57
はよぉ
198 121人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-07 07:06
保守
199 122人目 名無しで叶える物語(有限の箱庭)@\(^o^)/ 2015-09-07 11:21
保守
200 123人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-09-08 00:18
ほしゅ
201 124人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-08 12:59
次の日の朝、示し合わせた時間通りに目覚まし時計が鳴って、色々と準備をしていたらスッカリ待ち合わせの時間になっていました。

ことり「また海未ちゃん、待たせちゃう!」

待ち合わせ時間通りに行くために昨日のうちからお洋服を決めたり、いつもより早くに目覚し時計をかけていたのに、どうして家を出る時間はいつもより遅いんだろう。

慌てて玄関に向かい、ブーツを履いていると、来客を知らせるチャイムが鳴りました。

ドアを開けてみると、少し緊張気味な海未ちゃんが。

海未「待ちきれなくて、迎えに来ちゃいました」
202 124人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-08 13:14
ことりの家の玄関の前に立つ海未ちゃんはなにやら両手を前ですりすりとあわせていて、照れているというか、決まりが悪いというか、変な居心地の悪さのようなものを感じているみたいでした。

きっと待ち合わせの時間にことりの家に約束も言わないで来たことを「ことりに迷惑だと思われませんかね?」とか勝手に一人で色々と悪い方向に思っちゃって、普段の落ち着きをことりの家に来るまでに道に落としてきちゃったみたいにキョドッてました。

ことり「ふふふ、海未ちゃん。おはよう。お迎えきてくれてありがとー」

海未「おはようございます、ことり。あの、......迷惑じゃなかったですか?」

ことり「ううん! 迷惑だなんて!! ことりこそ、まだお家でごめんね!! もう出れるから!!」

ドアを開けるために中途半端に履いたブーツをしっかりと履き直している間、海未ちゃんは、ことりの方を見たり、下を向いたかと思えば上を向いたり、まるで横断歩道を渡る前の安全確認みたいにキョロキョロとしていました。

ことり「おまたせー、海未ちゃん。いこっかー」

そう言って、ドアを開けて外に出ました。

開けたドアからは季節の花の香りがフワッと漂ってきて、青く高い空には白い雲がまだらに泳いでいて。

ことり「絶好のクレープ日和だね」

海未「えぇ、晴れてよかったです」

海未ちゃんの方を向いたらちょうど海未ちゃんもことりの方を向いていて、視線が合って、自然と笑顔が溢れてきちゃいます。

海未「では、行きましょうか」

そう言って、海未ちゃんはことりの手をとって歩き出しました。
203 125人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-08 13:33
きたか
204 124人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-08 13:36
海未ちゃんの身長はそこまで変わりはしないけど、ブーツを履いた時はことりの方がちょっとだけ大きくなる。

普段とは違った角度で見える海未ちゃんがやたらと新鮮に感じられて、いいなぁ、って思う。

だから、新しいブーツとか、ミュールを選ぶ時はデザインが可愛いのはもちろんだけど、同じくらい素敵なデザインの2つで悩んだ時にどっちを買うかっていう最大の決め手は、高さだったりする。

普段見えない海未ちゃんのつむじだったり、横顔の見え方だったり、ことりの方を見た時の少し上向きの海未ちゃんの目線だったり。

ことりの、ささやかな独占欲。

この高さから見える海未ちゃんは、他の誰でもなく、ことりだけのものだった。

海未ちゃんはことりと違って忙しい人だから、そういうささやかなことでしか、海未ちゃんをヒトリジメできないのは、ちょっとさみしくもあるけれど。

別に、海未ちゃんのためだけにオシャレをしているわけではないけど。

でも、ことりが選べるいくつかの可能性の中で、ことりのことを海未ちゃんがもっともっと見てくれるような選択肢の組み合わせがあるのなら。

やっぱり、ことりはそれを選んじゃう。

海未「あの、ことり...」

ことり「ん?」

電車に乗るころにようやく海未ちゃんのモジモジが取れたとおもったら。
目的地の駅で降りて、人ごみではぐれないようにと今度はことりから繋いだ手をニギニギとした後に、またキョロキョロとし始めた海未が上向き加減に言いました。

海未「...今日の服、とってもことりに似合ってて、その、......可愛いですね」
205 124人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-08 14:05
海未ちゃんが、恥ずかしがりながらも、そう思ったことを、「ことりの服がかわいい」と、海未ちゃんが思ったということを、ことりにちゃんと伝えてくれるのが嬉しかった。

ことり「海未ちゃんのために選んだから、海未ちゃんにそう言ってもらえると嬉しいなぁ」

素直にそう言うと、桃色だったほっぺたがあからさまに赤くなるのがとても可愛かった。

手を繋いだ方とは違う、空いたもう片方の手で口元を押さえて、「な、なに言ってるんですかっ」って嬉しいくせに、ことりのことを軽く叱ってくる。

口元を押さえてるのは、にやけてるのをことりに知られたくないからって気づいたのはいつだったかな。
もう忘れちゃった、けど、でも、こんなにも顔を真っ赤にして、ことりの言葉に、ことりの動作に、心から喜びを表してくれるのは、海未ちゃんだけなんだ。

ことり「ふふっ......」

海未「......な、なに笑ってるんですか、ことり」

キッと軽く睨んでくる。
悪いことたくらんでるわけじゃないから、そんな風に睨まないで?

ことり「ことり、海未ちゃんに本当に好かれてるなぁって、思っただけ」

数秒の沈黙の後、「んなぁっ!?」ってどこから出してるの?っていう声が聞こえてきて、ことりはさらに海未ちゃんの照れ隠しが愛しくなる。
206 124人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-08 16:15
約束通り2人で来れた新しくできたクレープ屋さんの前で、ことりと海未ちゃんはお互いに自分好みのクレープを頼んだ。

2人でそれを食べながら、「おいしいね」と「美味しいですね」を交換する。

甘い甘いクレープを口に含む。
口の中の温度でだんだん溶かされていく生クリーム。
噛むと口に広がっていく、フルーツの甘酸っぱさ。

美味しいけれど、次第に消えて、なくなっていく。

海未ちゃんはずっと笑顔で、ことりも海未ちゃんの笑顔につられて自然と笑顔になれた。

ふんどしのことで悩んでた時間が嘘だったみたいに、穏やかで優しくて、暖かな時間が流れてた。
こんな時間がいつまでも続けばいいのに、とおもってた。

クレープを食べ終わって、しばらく2人でお店を見て歩き回ってた。

特になにをしなくてもよかった。
海未ちゃんがそばにいればよかった。

横断歩道が赤になって、ビルの間を縫うように走る自動車が目の前をものすごい速度で次から次へと通過していく。

都会の人混みの中で、はぐれないようにとどちらかともなく繋いだ手をブラブラさせながら、青になる瞬間を待っている時

「海未?」

と、後ろから海未ちゃんの名前を呼ぶ声がした。

2人でその声のする方へ振り返る。

すぐそばに絵里ちゃんくらいの背丈で、セミロングほどに伸びた髪を、自動車の起こす風になびかせている女性が立っていた。

一瞬、息を飲む。
ことりの知り合いじゃない。
こんな人は知らない。
だけど、その姿を見た瞬間から嫌な予感で、胸がバクバクとしていた。

だって、そっくりなんだもん。

海未ちゃんに「誰?」と尋ねようと海未ちゃんの顔を覗いた時、海未ちゃんがひどく驚いた顔をしていることに気がついた。

ことりの手を握る、海未ちゃんの手にぎゅっと力が込められる。

海未「姉さん......?」

海未ちゃんが心もとなくつぶやいたその声は、赤から青に変わったことを知らせるカッコウの鳴き声にかき消されて、きっと、多分、ことりだけが、聞いていました。
207 124人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-08 16:16
とりあえず、ここまでで
208 126人目 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015-09-08 22:11
おつおつ
209 127人目 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015-09-09 01:19
210 128人目 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015-09-09 03:45
乙です
211 129人目 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015-09-10 21:28
ho
212 130人目 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015-09-12 03:19
213 131人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-12 07:00
(・8・)
214 132人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-09-12 09:11
 
215 133人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-12 11:30
誕生日だよ
はよはよ
216 134人目 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015-09-14 01:16
ho
217 135人目 名無しで叶える物語(うめぼし)@\(^o^)/ 2015-09-15 11:34
支援
218 136人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-16 10:26
申し訳ないですが、手が回らなくなってきたので落としてください
すみません!
219 137人目 のんたんは!omikuji(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015-09-16 23:59
偽物乙と信じたい
220 138人目 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015-09-17 00:35
 
221 139人目 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015-09-18 18:51
待ってる
222 140人目 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015-09-19 08:10
ヴァ
223 141人目 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015-09-20 00:01
わたし待つわ
224 142人目 名無しで叶える物語(もこりん)@\(^o^)/ 2015-09-22 02:26
待ってる
225 143人目 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015-09-22 19:21
気長に待ちます
226 144人目 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015-09-22 20:49
227 145人目 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ 2015-09-24 08:39
228 146人目 名無しで叶える物語(東日本)@\(^o^)/ 2015-09-24 22:34
そぉれ
229 147人目 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015-09-26 03:06
保守
230 148人目 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015-09-28 00:06
ほんどし
231 149人目 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-09-29 23:59
保守
232 150人目 名無しで叶える物語(東日本)@\(^o^)/ 2015-09-30 06:41
はい
233 151人目 名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/ 2015-10-01 02:30
ええ
234 152人目 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015-10-02 05:55
オナシャス!
235 153人目 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015-10-04 17:36
hosyu
236 154人目 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015-10-06 18:54
ほす
237 155人目 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015-10-07 08:08
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238 156人目 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(たこやき)@\(^o^)/ 2015-10-08 22:08
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ほしゅ
240 158人目 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015-10-11 21:52
まだ?
241 159人目 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(たこやき)@\(^o^)/ 2015-10-14 13:19
ほしゅ?
引用元:http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1439544098/
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